研究室ガイド2011
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准 教 授須藤 誠一化学物理研究室【主な卒業研究テーマ】●生分解性高分子の分子機構解明●水系物質のガラス転移機構の解明●希薄溶液中の高分子の分子運動解析主な就職先(2010年3月・院生含む)当該年度卒業生なし分子・生命・地球科学コース液体、生体、食品などの物性を分子サイズの視点で検証する最先端計測法の応用研究による社会への貢献幅広い経験を持った技術者の育成を目指して STEP1:研究室の特色 STEP2:研究室をさらに詳しく水は地球上で最も豊富な分子種の一つで、人類の生命活動に欠かせない物質です。例えば、生活の最重要項目である生命・食・住に関係した物質の多くは内部に水を含んでおり、その物性や機能性は水-溶質分子間に働く電気的相互作用によって形成された分子集団(液体構造)によって決定されます。この分子間に働く相互作用はピコ秒(1000億分の1秒)で構築・崩壊を繰り返すため、形成される液体構造はその組成が絶えず変化している動的構造体です。この極めて速い構造の再構築を観測することは困難であるため、液体構造には未解明な部分が多く存在しており、実験やコンピュータシミュレーションによる検証が盛んに行われています。本研究室では、広帯域誘電分光法、光自己混合レーザ計測法を用いて、様々な物質中に形成された液体構造の解明を目指しています。誘電分光法は電気信号を測定対象物に与え、その応答電流から試料の分子運動を調べる手法です。この測定法の基本原理は、電子レンジの仕組みと同じで、皮膚中の水分量検出や、コンクリートの劣化診断に向けた研究が盛んに行われています。本研究室では、誘電分光法の高精度・高感度化を進めることで、まだ未解明な物性の解明にチャレンジしています。光自己混合レーザ計測法は、1979年に発見された光自己混合効果を測定原理とした超高光感度レーザ計測法です。小規模汎用計測器としては世界で最も低濃度での動的光散乱測定(液体中のナノサイズ粒子の検出や運動の評価)が可能な実験装置です。この測定法を用いた物性評価を行うとともに、環境計測装置への応用(例えば河川・海洋に含まれる汚染物質等の検出)も検討しています。本研究室では、最先端の物性計測法、実験装置の(機械)工作、測定システムのコンピュータ制御、数値演算アルゴリズムの開発、解析プログラムの構築、他大学研究機関(海外も含む)との交流、研究成果の学会発表等、様々な経験の場を用意しています。これらの経験・技術習得を行うことで、「多彩な技能を持ち、様々な場面で対応できるエンジニア」の育成を目指します。研 究 内 容社会との接点研究室の横顔リテラシー学群 研究室135

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