研究室ガイド2011
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涌井研究室(生態システム応用計画学)【主な卒業研究テーマ】●自然環境調査手法に関わる研究●私有財産の社会的共通環境資本財としての価値の検証と顕在化手法●都市における特殊環境下の緑化技術●都市における公園緑地の存在効用、例えば暑熱等環境改善の手法研究●都市におけるエコロジカルネットワーク形成に資する研究●地域活性化戦略としての景観形成の研究●条件不利地における国土保全機能の評価とその価値維持システムの研究●環境に起因する心因的ストレスを低減する環境条件の研究●公園・緑地、民間の再開発から生じる緑地の配置と量の確保に関する研究エコシステムコース自然環境と都市及び地域の共生のデザインのあり方の研究生物社会と共存する都市や地域の在り方を提言する現地現物主義を前提とし、社会哲学的観点を重視し、その上に具体のスキルを展開する姿勢を共有する横浜キャンパス3号館 5F STEP1:研究室の特色 STEP2:研究室をさらに詳しく[持続的未来のための人間環境と自然環境の調和が図れる空間のありようを科学する]我々の生活基盤は、自然がもたらす生態系サービスにより支えられています。しかしながら、現実には、自然がもたらすサービス量をはるかに超える人間の活動量が自然を量・質両面から変形・分断させています。例えば、都市に於ける変容量は一層大きく、半面、中山間など条件不利地では適切な人と自然の関わりが失われ、却って自然の質を後退させています。こうした状況に対し、公園や地域性緑地等の公的で計画的な仕組みや、民間事業者や市民社会等多様なステークホルダーの協働により、どのように環境修復を果たし、人間社会に共通する福利と生態系の保全・再生・想像ができるかを研究しています。[環境と経済とコミュニティが合理的に調和する都市や地域の社会的システムとデザインを研究する]本来わが国には、自然の特質を読み取り、それを利用する量的限界とその質を恒常的に維持する為の知恵を重視する文化が存在していました。取り分けその特質が「里山」と称される空間に色濃く表れています。そこには自然の生産量を持続的に確保する循環型の知恵が見受けられます。つまり「つなぎ」と「まわし」をキ―ワードとしたライフスタイルと空間配置が日本の伝統的な土地利用の特質と言えましょう。今迫りくる持続的未来の危機を考えると、改めてこうした知恵に着目し、空間量やその配置、或いは社会的システムを計画論に資するものと評価して研究。その結果を、行政や事業者の都市や地域に関わり方を提言する重要性が高いと考えています。我々の領域の研究は、フィールドに現実を見出し、それを社会的にあるべき姿と対照させ、その乖離を図るところから始まります。その為には、日頃から社会全般にわたる興味と関心を寄せ、社会のあるべき方向を認識しておく必要があります。とどのつまり我々の研究が「何のために」という基本的問いかけに対する正答を得ていなければなりません。研究のための研究ではなく、常に社会に対応した成果を示す心がけを重視したいと考えています。研 究 内 容社会との接点研究室の横顔教 授涌井 史郎想定される主な就職先民間デベロッパー、計画系コンサルタント、環境コンサルタント、測量会社、総合建設業、造園建設業、観光産業環境情報学科155

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