研究室ガイド2014
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研究室をさらに詳しく主な卒業研究テーマ研究内容社会との接点研究室の横顔教 授中村 雅子学 部 生29名次々と新しい技術が提案される今日の社会。中でも情報テクノロジーは人間のコミュニケーションや社会関係を変えてしまう、とよく言われます。しかし一方で情報テクノロジーは、それが人間のコミュニケーションと深く関わるがゆえに、現在の社会のあり方に沿ってその中に溶け込み、融合していくのでなければ広く受容されることができないという側面もあります。本研究室では、現在進行形のこのダイナミックな同時生成のプロセスを、人々の生活行動や意識の変化と関連付けながら考えていきます。個人と情報テクノロジーが1対1で向き合う場面だけでなく、コミュニティや企業といった多くの組織での、現実の情報テクノロジーの受け入れ方、使い方を、人々の集合的な情報環境の構築という視点でとらえます。どのような優れた技術でも、それだけで無条件に社会に受け入れられるものではありません。たとえば手動タイプライターの時代に開発されたキーボード配列(QWERTY)は、一説によれば印字のバーが交差するトラブルを防ぐため「打鍵速度が速くなりすぎないように」設計されたと言われますが、そうした問題を考慮する必要のないワープロ・パソコンにも受け継がれています。より合理的で能率的な配列はいくつも提案されてきたのですが、それらは今のところ、いずれも広く受け入れられていません。研究者がラボで考え、技術的な合理性だけで提案しても、そのまま受け入れられるわけではないといういい例でしょう。そこには新たな習熟のためのコスト等、使い手側の要因があるわけですが、使い手にとって「よい技術」とは、このように実際の使用の状況の中に置かれて初めて評価されるものなのです。本研究室では、こうしたテクノロジーの使い手(ユーザ)の実践を分析し、人間の行動を社会的な文脈のなかで理解していきます。そこから社会や科学技術の望ましいあり方を提案できるものと考えています。本研究室では、実証的なデータに基づく研究を重視しています。方法論としては、計量的な社会調査法のほか、質的調査やオンライン調査、フィールドワークなどについても、それらの方法論的な意義を確かめながら活用していきたいという姿勢を持っています。社会調査の技法研究という側面からも、新たな方法の模索も含めて試行錯誤しながら一緒に考えていきたいと思います。研究内容社会との接点研究室の横顔中村[雅]研究室情報化と社会、社会調査技法の研究人と情報テクノロジーの「いい関係」を目指す実証的なデータに基づく研究を重視横浜キャンパス3号館5階主な就職先・進学先(2013年3月・院生含む)中日本高速道路(株)[NEXCO中日本]、(株)アルファシステムズ、JA静岡、日立電子サービス(株)、NECフィールディング(株)、セコム(株)、(株)JR東日本都市開発、キヤノンソフトウェア(株)、(株)サン・データセンター など●東日本大震災が防災学習への取り組みに及ぼす効果●流言とソーシャルメディア:東日本大震災における新たな情報の流れモデル●携帯端末を用いた拡張現実技術による企画支援の提言●マイナー・サブカルチャーにおけるコミュニケーション●市民デジタルアーカイブ活動の実態と変化●街を語る権利は誰にあるのか:下北沢再開発論争にみる街の主体の捉え直し●ご当地グルメによるネットワーク形成と地域活性化●実践型メディア活動による学び: つづきジュニア編集局を事例に●実践的環境保全教育における情報共有サイトの効果●学習環境の主体的デザイン: 人は格闘ゲームでいかに強くなって行くのか●アンダーグラウンド・カルチャーの秩序: 溝の口駅前広場を事例に(参加デザイン) http://nakamura-lab.sv.yc.tcu.ac.jp/main/htdocs/173社会メディア学科

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