東京都市大学 研究者一覧
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110 TCU Research Directory人 文 学皇 帝行 政官 僚都 市教 授 新保 良明史 学 ヨーロッパ史・アメリカ史所 属共通教育部 人文・社会科学系所 属研究室西洋史研究室H P─分 科細 目研究内容と目指すもの地中海を内海とする古代ローマ帝国はEU以上の面積と人口6000万を抱えながら、これらを統治する帝国官僚は300名に達しなかった。この「小さな政府」どころか「官僚制なき政府」とまで形容される状況にありながら、巨大帝国が分裂もせず、「パックス=ロマーナ」を享受しえたのはなぜか。その秘密を、帝国の行政構造の考察を通して解明しようと考えている。1ローマ帝国の都市民会最近の研究テーマ2業績・プロジェクト・産学連携等3(単著)『ローマ帝国愚帝物語』新人物文庫、2012年(監修)『古代ローマ人のくらし図鑑』宝島社、2012年(翻訳)『アッティラ大王とフン族』講談社、2011年 など 9冊著 書日本学術振興会 科研費:基盤研究(C)「ローマ帝政期における民会の東西比較に関する研究」(2014~16年度) など 8件外部資金都市の自治を支えたのは都市参事会と民会であった。これまで、前者について論文を積み重ねてきたが、最近はギリシア・ローマの「市民的自由」に直結する民会に注目している。というのも帝国東部では、ポリス社会という伝統の下、民会が機能していたものの、西部では帝国の支配下に組み込まれる中、ローマ主導で都市化が図られたからである。以上から、帝国の東部と西部で自治の内情が異なっていたと予想され、その解を民会に求めてみたいと考えている。巨大帝国の「小さな政府」研究者情報

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