産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業

活動報告

他大学の学生と”ものづくり”に挑戦する、学外PBLが行われました。

2015年01月26日

文部科学省の2012(平成24)年度「産業界のニーズに対応した教育改善・充実体制整備事業」に採択されたプログラムの一つ。「産業界のニーズに対応した技術者の育成」の取り組みの一つが、2014(平成26)年の8月と9月に行われました。このプログラムは工学系学科を有する5大学(工学院大学、芝浦工業大学、拓殖大学、東京電機大学、東京都市大学)が、企業から出された課題に分野横断型のチームで取り組むPBL(Project Based Learning)で、各大学から参加した学生でチームを作り、行っていきます。

今回は提携企業として一般社団法人ファブデザインアソシエーションに参加していただき、レーザー加工機を活用して、ものづくりによる地域社会の活性化を考え、プレゼンテーションを行いました。レーザー加工機はパソコン上で作成した図形を取り込み、正確にカットしていくもの。この機器を使ってどのようなことができるのかを、考えていくのです。

このPBLは、3日間の日程で、拓殖大学の八王子キャンパスにて行われました。まず8月6日(水)に集まり、レーザー加工機の使い方を体験的に学習。その後グループに分かれてディスカッションを行い、個別学習の分担を決めます。そして各自で考えをまとめ、9月9日(火)、10日(水)の二日間をかけてディスカッションと制作を行い、最後にプレゼンテーションを行うのです。各大学からはファシリテーターとして教職員が参加しており、学生たちが方向性に迷ったときなどにアドバイスを行っていきます。

このPBLでは、さまざまなプランが提案されました。加工機で木のパズルを作り、街を探検するプロジェクト。コマや福笑いといった昔の遊びを作り、三世代をつなぐコミュニティを作るプロジェクトなど。そして今回優勝したのは、ランプシェード作りなどを体験するツアーを企画したチームでした。企画の中には昨年世界文化遺産にも登録された和紙作りを岐阜県で体験するといったプランも盛り込み、実際に旅行会社の商品としても十分通用するような内容でした。この優勝チームで中心となって活躍していたのが、電気電子工学科3年の石井雄也くんでした。

今回のPBLでは、学年も学科も、そして大学も違うメンバーが集まり、「地域活性」という工学系の学科ではあまり学ばない内容に挑戦。そして目的に向かって意見を出し合いながら着地点を見つけていくという、普段の学生生活とはずいぶんと違うプロジェクトでした。優れたアイディアを持っていたとしても、集団の中に入るとなかなかその才能を発揮できないという学生は少なくありません。けれども社会に出れば、そういった状況でベストを尽くさなければならないこともあります。今回のPBLでは、学生たちもそうした社会で体験するであろうことを、一足早く体験できたはず。こうした機会を、今後も作っていきたいと考えています。