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オーストラリア熱帯雨林復元フィールド研修プログラム
担当教員:環境情報学部 環境情報学科 教授 小堀洋美
本プログラムは、環境情報学部の単位認定の海外研修プログラムの一つとして実施しています。本年で8年目を迎え、本年度からは工学部の単位認定プログラムともなっています。夏季休暇中の2週間をオーストラリアの熱帯雨林に滞在し、熱帯雨林の生物多様性、熱帯林の現状と問題点を講義とフィールド見学で学ぶとともに孤立化した熱帯雨林を植林によりつなぐ緑の回廊の創生活動とその調査を主な内容としています。
熱帯雨林は地球上の陸地の7%を占めるに過ぎないが、地球上の50%の野生生物が生息している豊かな生態系であるとともに、熱帯雨林の減少は地球規模の環境問題の一つとなっています。
プログラムでは、世界遺産に登録されているクインーズランド州の湿潤熱帯雨林に滞在し、世界最古の豊かな熱帯雨林が現存しているデントリーでは、学生が多様な熱帯雨林と生物の豊かさを実感する機会を提供しています。また、アサトン高原では、熱帯雨林の減少の原因について、フィールド見学を通じて理解するとともに、問題解決のための植林、緑の回廊(コリドー)を構成する熱帯雨林の維持管理活動、地域の熱帯雨林復元の取り組みへの参加、植林した熱帯雨林の多様性を高める方策やその評価などを行なっています。
プログラムの企画と実施は、本学部とSFS(The School for Field Studies)が共同して行なっています。SFSは、米国のボストンに本部がある、国際的な環境教育の専門機関で、本プログラムはSFSのアサトン高原のフィールドキャンパスCenter for Rainforest Studiesで実施しています。学生と教職員は62haのキャンパスの広大な熱帯雨林内に散在するコテージに宿泊し、午前中は主に講義、午後はそれに関連したフィールド見学、フィールド調査などを行なっています。これらは全て英語で行っているが、内容の理解を深めるために本学の教員が通訳をしています。
2007年度の事前授業では、「熱帯雨林の生態学」の講義、本学の教員が開発した情報ツールを活用した教材による演習、学生によるwebレポートの作成方法の演習をおこないました。オーストラリアでの本プログラムは、午前中は主に、講義、午後は講義に関連したフィールド見学、フィールド活動、調査を行ないました。講義は学際的な内容とし、11の講義、9つのフィールド講義をおこないました。また、フィールド活動では、コリドーに植林した熱帯雨林の生物多様性を高めるために植林後5年が経過する樹木に着生植物を人工的に着生し、昨年着生させた着生植物を昆虫類などが利用しているかどうかを、調査しました。その結果、着生植物を着生させた樹木は着生させない樹木より昆虫類などが多いことが確認されました。プログラムでは、これら以外に夜間の野生動物の観察、試験、グループ発表、学生によるプログラムのwebレポートの作成をおこないました。
なお、オーストラリアプログラムの詳細はプログラムの以下の公式サイトをご参照ください。
http://www.yc.tcu.ac.jp/~cyber-australia/index.html