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日中共同沙漠緑化フィールド研修プログラム
担当教員:環境情報学部 環境情報学科 教授 吉崎真司

2001年にスタートした本プログラムは、今年で6回目(2003年はSARSの影響により中止)を迎え、参加した学生数は総勢140名に達しました。
プログラムの目的は以下の二点です。
1.沙漠化が進む中国内蒙古自治区ホルチン沙地において、専門家から講義を受けなが ら沙漠化防止活動に参加し、乾燥・半乾燥地区の環境問題を総合的に学習する。
2.地域の生態システム、沙漠化の原因と防砂・防治法、地域調査と農家訪問、国際理 解と協力などについて学ぶ。
実施場所は、日本から最も近い沙漠化地域と言われる「中国内蒙古自治区通遼市科左后旗甘旗?鎮及び庫倫旗三家子瓦房地区」。成田空港から飛行機で約3時間の距離にある「遼寧省瀋陽」に到着後、更にバスに乗り継ぎ、3~4時間移動した場所が内蒙古自治区です。
2007年度の研修は、8月28日から9月6日の10日間実施しました。共同実施機関は、武蔵工業大学と北京林業大学で、現地で活躍するNPO法人緑化ネットワーク及び地元政府(内蒙古自治区通遼市科左后旗人民政府及び林業局)がバックアップしてくれました。 研修は、講義、作業、調査及びワークショップで構成され、講義では、北京林業大学の先生より、中国における沙漠化の現状や防砂法について、現地の砂丘の上で解説していただきました。次に、NPO法人緑化ネットワークが実施している沙漠緑化ボランティアに参加し、植林作業や防砂のための草方格設置及び植栽樹木の管理を体験。実際に300本の障子松(アカマツ)、500本のニレを植林しました。更に、地元の農民の家を訪問し、現地の方々がどんなところに住んでいるのか、どんなくらしを営んでいるのか、どんな問題を抱えているのかといった調査を行いました。そして、現地政府を訪問し、中国政府が取り組んでいる「退耕還林(還草):耕しすぎた土地を森林や草原に戻す政策」の現状を、実施場所にて解説を受けました。
また本年度は、「武蔵工大の森をつくる」という壮大な構想の元に3年越しで確保した約3haの土地に、「武蔵工大の森」という看板を設置し、昨年に引き続き、地形と植生の調査、草方格設置作業を行いました。これまでのプログラムは体験中心で行ってきましたが、今後は「武蔵工大の森」をフィールドワークの基地として、研究活動を展開したいと考えています。
そして最後に、北京林業大学生と日本人学生による沙漠化防止を考えるワークショップを行いました。自分が「政府の人間だったら」「農民だったら」「一般市民だったら」「日本の学生だったら」「中国の学生だったら」と想定し、沙漠化防止のために何ができるかを、互いの国の文化や習慣、言葉の違いを感じながらも積極的にディスカッションし、その内容を集約して発表することを体験しました。