研究室ガイド2011
130/232

(本研究室は、自然科学科の学生および工学部全学科の学生が所属できます)宇宙線研究室講 師門多 顕司【主な卒業研究テーマ】(予定)●宇宙線望遠鏡による最高エネルギー領域宇宙線の研究●大気蛍光望遠鏡の光学系検査装置の開発●Knee領域宇宙線のエネルギースペクトルの研究●Knee領域宇宙線の到来方向の異方性の研究●Knee領域宇宙線の核組成の研究●新しい宇宙線観測方法の開発主な就職先(2010年3月・院生含む)当該年度卒業生なし地球科学コース宇宙線物理学の観測的研究今すぐ社会で役立つ性質のものではないが、非常に夢のある研究すべて他大学との共同研究 STEP1:研究室の特色 STEP2:研究室をさらに詳しく本研究室では、宇宙線物理学の観測的研究を行っています。宇宙線とは、宇宙から降り注いでくる高エネルギーの原子核や素粒子のことです。宇宙線の発見からすでに90年程経っていますが、その発生源や発生機構は未だにわかっていません。その原因は、宇宙線の大部分が荷電粒子であるために、銀河系内の磁場によって進行方向が曲げられてしまい、宇宙線が到来した方向を見ても対応する天体が発見できないことにあります。この困難を取り除く方法として、非常に高エネルギーの宇宙線を観測するというものがあります。宇宙線のエネルギーが高くなるほど磁場での曲がり具合が少なくなり、ほぼ直進するとみなせるようになります。したがって超高エネルギーの宇宙線を観測すれば、その到来方向に宇宙線源が発見できる可能性があるのです。本研究室においては、宇宙線が大気に入射した際に生じる空気シャワー現象を観測することによって、宇宙線の謎を解明する研究を実施しています。人類は太古の昔からごく最近まで、目に見える光によって宇宙を眺め、そこに莫大な数の星を見て、宇宙の大きさに驚き、宇宙の神秘を解明しようとしてきました。さらに今、宇宙を眺める窓として、宇宙線という新しい可能性が開かれようとしています。宇宙線について研究することは、宇宙の神秘そのものを解明していくことでもあるのです。また将来、天文学で使われてきたCCDカメラのように、宇宙線観測で培われてきた技術が日常生活で使われる日がくるかもしれません。本研究室の研究は、今すぐ社会で役立つといった性質のものではありませんが、非常に夢のある、意義深いものです。本研究室の研究テーマは、すべて他大学との共同研究です。そのため学生には、学外の研究者と積極的にコミュニケーションがとれることを望みます。研 究 内 容社会との接点研究室の横顔自然科学科128

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です