研究室ガイド2015
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研究室をさらに詳しく主な卒業研究テーマ研究内容社会との接点研究室の横顔共通教育部物理教育部門講 師中村 正人現在は世界中で研究され発展している物理学ですが、私たちが親しんでいる西洋の様々な芸術と同じで、元はと言えば西洋で生まれ、各時代各国の思想、文化、さらに様々な束縛の下で育ってきたものです。物理学的思考法・研究方法、物理学的知識はその中で獲得されました。その一方で、物理学を含む科学とは何かということも科学哲学として考察する人々がいます。他方、私たちは物理学が作られていく歴史に加わっておらず、洋学として学びました。そのせいもあって、私たちは偏ったイメージを持っていたりします。そしてそれを特に検討せずにそのまま受け入れています。こういう違いを意識して、通常行われている物理教育とは強調点等の違う物理教育について考察していきたいと考えています。現代科学・技術の成果は日々の生活に不可欠ですが、私たちは便利に使うだけで、その全体像への視点を持てなくなっています。これは学問が細分化され専門化されたことの当然の結果ですが、文化的には危険を含んだ状態と言えるでしょう。科学リテラシーという提案や科学インタプリターという職業の登場は、こういう現状への対応です。広い意味では、私の問題意識とこれらの動きには共通点があります。専門家の方を向くのではなく、一般の人の方を向いた語りかけということで、科学体験教室や小中学生対象の講座で発表を行ったり、物理の授業の方法について考えていきます。科学技術はもちろん、物理学も無くてはならないものですが、自然に対する他の色々な考え方や表現と同様、人間が生み出した文化として、相対的に見つめられるようでありたいと思います。●科学史・科学哲学を踏まえた物理教育研究内容社会との接点研究室の横顔科学史、科学哲学などを学びながら、物理学の意義と成果を次代に継承する小中学生対象の科学体験教室などで、研究成果を分かりやすく発表!自然と人間との関わりを科学的、文化的に理解できる人材を育成する主な就職先・進学先[2014年3月・院生含む]当該年度卒業生なし世田谷キャンパス1号館3階一般物理研究室231

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