研究室ガイド2016
72/252

研究内容社会との接点研究室の横顔研究室をさらに詳しく主な卒業研究テーマhttp://www.ese.tcu.ac.jp/labs/nano1新しいエネルギー源となる物質の開発や、産業廃棄物および環境汚染物質の低減ないし利用を目的として、化学反応プロセスと無機材料の合成・解析の研究を進めている。具体的には、スクラップ鉄を用いてクリーンエネルギー水素を製造するための反応条件の検討や、二酸化炭素を固定化し活用する手法の研究、放射性セシウムを効果的に回収する吸着剤の開発などを行っている。また鉄鋼製造過程の副産物であるスラグを有効活用するための改質や、太陽光により水から水素を作る光触媒の合成や改良にも取り組んでいる。さらに、これらの物質の原子レベル構造、結合状態などをX線分析法によって調べ、反応メカニズムの解析や廃棄物に含まれる成分の分析を進めたり、材料の性能向上などに役立てている。我々の社会が必要としているエネルギーを化石燃料から調達すると、二酸化炭素などの環境汚染物質が発生してしまう。また化石燃料は有限の資源であり、永久に使い続けることはできない。本研究室は、新しいエネルギー源となる物質や、光触媒などのエネルギー変換材料について研究している。また、廃棄物や環境汚染物質を化学的に回収し、さらに有用物質に変換する方法について研究するなど、エネルギーと環境および資源の課題に対して物質科学的な立場から取り組んでいる。本研究室では、新しい物質の合成にチャレンジし、ものを作り出す楽しさを味わうことができる。また化学の基本である化学反応のしくみを、反応の速度やメカニズムについて調べることで、追究していくことができる。これら各種物質や材料の評価、また化学反応の解析は、複数の分析装置や手法を用いて多角的に進めている。特に、物質を構成する元素の種類や化学状態、そして原子の配列を解き明かすことのできる最先端のX線分析にも取り組んでおり、物質の成り立ちと性質について理解を深めていくことができると同時に、X線装置の開発をとおして機器設計・製作を経験することもできる。機能設計・解析化学研究室 (無機物質変換)■研究内容■社会との接点■研究室の横顔新しいエネルギー材料の開発のため、また廃棄物の有効活用のための、物質と反応プロセスの研究エネルギー & 環境・資源問題解決への物質科学的アプローチ新物質の合成、化学反応機構の解明、原子レベルの分析によって様々な角度から物質の世界を探求世田谷キャンパス17号館 1階主な就職先・進学先[2015年3月・院生含む]日産自動車、東京製鐵、日鉄住金テクノロジー、千代田工商、ユアサ商事、NTTファシリティーズ、三菱電機ビルテクノサービス、ミツトヨ、本学大学院進学准 教 授江場 宏美学 部 生男子7名 ・ 女子1名院 生男子4名●水素の製造や二酸化炭素の固定・変換を行うための化学反応プロセスの研究●スクラップ鉄や鉄鋼スラグなど廃棄物の有効活用法や有価物への変換法の研究●光触媒の形態制御と触媒活性向上●放射性セシウムを効率的に回収する吸着剤の開発●X線吸収分光法、蛍光X線法、X線回折法による機能性物質の解析・評価●新しいX線回析装置の開発エネルギー化学科70

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です