研究室ガイド2016
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研究内容社会との接点研究室の横顔研究室をさらに詳しく主な卒業研究テーマ建築構造学西村研究室世田谷キャンパス4号館 3階建築構造物の耐震設計理論および振動解析耐震性と経済性を兼ね備えた建築構造の提案時間を掛けて、ゆっくりたくさん勉強しよう西村研究室では、建築構造物の耐震性能を向上させるための理論研究と実験研究を行っております。具体的には、1)免震構造(建物をゴムで支える構造)用の積層ゴムについて、性能向上を目指した理論研究や、2)戸建免震構造の開発研究、3)非線形減衰装置を用いた制震構造の開発、4)地震観測によ る免震構造や制震構造の性能評価方法の開発、5)大型構造実験施設を用いた積層ゴム部材の実験研究などです。基礎研究を行うだけでなく、研究成果を実用化するまでの総合的な研究開発を行ってきました。本学世田谷キャンパスのサクラセンター#14(学生食堂)には、新開発の制震構造用非線形油圧ダンパが設置されており、平成23年3月11日の地震記録でも制振装置の性能が確認され ております。新型免震構造の開発研究は、平成24年度から平成26年度にかけて、国土交通省建設技術研究開発助成課題に採択されました。平成27年度からは、研究成果を実用化すべく、多くの企業とチームを結成して、新型免震建築の普及促進活動を開始します。西村研究室では、研究開発成果を実際の構造設計に役立つように、企業との共同研究を積極的に進めております。東急建設とは「戸建免震構造」の開発を行い、その研究成果により、平成21年度の日本免震構造協会賞(技術賞)を受賞いたしました。国土交通省の建設技術研究開発助成課題「限界耐力設計法に対応した免震構造の開発」研究では、プロトタイプ積層ゴム支承の開発に成功しました。研究成果は神奈川サイエンスパークで開催される(平成27年7月10日)シンポジウムで発表予定です。西村研究室で卒業研究をする学生諸君は、最初にコンピュータを製作します。秋葉原に出かけてマザーボードやCPUを選び、研究室で組み立てます。WindowsのOSだけでなく、LinuxなどのOSをインストールして数値解析ソフトも自ら作ります。研究室とキャンパス内の建物に設置した地震計はネットワークで接続されており、地震発生時に計測されたデータは自動計測され、その後研究室へデータ転送します。このように、研究室の学生諸君は実践的な研究を通じて解析技術やコンピュータの知識を深めていきます。大学院に進学後は、実大の免震装置の実験や振動制御理論を応用した制震構造の研究など先端研究に挑戦します。■研究内容■社会との接点■研究室の横顔主な就職先・進学先[2015年3月・院生含む]大林組、大建設計、アルテス(構造設計事務所)、本学大学院進学教 授西村 功学 部 生男子5名院 生男子4名●免震構造用積層ゴムの実験研究 ●構造模型を用いた減衰性能評価 ●構造ヘルスモニタリング技術を応用した建物構造の性能評価●制御理論を応用した耐震構造設計建築学科81

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