- HOME
- トピックス一覧(お知らせ)
- トピックス詳細(お知らせ)
トピックス詳細(お知らせ)

「学びたい」という想いに全力で応える
平素より、本学の教育研究活動にご理解とご支援を賜り誠にありがとうございます。2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、授業開始時期の繰り下げや施設の使用制限など、学生をはじめとする関係の皆様には大変なご不便をおかけしました。今もって終息が見通せない中ではありますが、ワクチンの開発や接種といった明るい展望も見えて参りました。先ずは、この間のご理解とご支援、ご協力に厚く御礼を申し上げます。
さて本学では現在、創立100周年(2029年)に向けた中長期計画「アクションプラン2030」のもと一大改革を進めています。まず教育面では、入学から卒業までの間に、学生一人ひとりの「個の力」を最大限に引きあげることを目標としています。そのために、1年間を4期に分ける短期集中型の「クォーター制」や、履修単位数に上限を設けて習熟度を高める「CAP制」、海外で多く採用される国際標準の成績評価「GPA(Grade Point Average)」のほか、各科目の成績評価、取得資格、留学、課外活動など一人ひとりの実績を可視化する独自のキャリア デザイン システムも導入しました。
このコロナ禍においても、オンキャンパスの教育を重視する本学では、学生と教職員の健康を守ることを大前提に、9月の第3クォーターからは、適切な感染症対策を講じた上で対面とオンラインとを組み合わせた「ハイブリッド型授業」を実施しました。残念ながら、第4クォーターの途中から新型コロナが再拡大し、卒業研究と実験・実習・実技等の科目以外は、原則オンライン授業となりました。今後も感染状況を注視しつつ、ウィズコロナ、アフターコロナにおいても「教育の質」に徹底してこだわり、一層効果的な学びを追求して参ります。
さらに、本学が目指す「専門力を有し世界で活躍する人材」を育成するためには、大学院教育の拡充が必須と考えています。今、わが国ではこれまで多くの企業が採用してきた職能型(メンバーシップ型)の人事制度が職務型(ジョブ型)に移行しつつあり、修士号や博士号を持つ人材の活用・待遇も大きく変わっていくことと思います。今の学生たちが社会のリーダーとなる20年後を見据え、その時代に活躍できる人材をどのように育成するかを長期的な展望に基づいて考えています。
昨年の11月には、文部科学省の令和2年度大学教育再生戦略推進費「知識集約型社会を支える人材育成事業」に採択されました。本学提案の事業は、今後の社会や学術の新たな変化や展開に対して柔軟に対応する能力を有する、幅広い教養と深い専門性を備えた人材を育成することを目的としていますが、このような形での国からの支援や競争的資金の獲得は、持続可能な教育・研究を推進していくためにも、極めて重要だと考えています。
研究面では、総合研究所・未来都市研究機構の推進する「都市研究の都市大」事業が、第2フェーズへ移行し、DX(デジタル トランスフォーメーション)視点からの研究活動を一層加速しています。また昨年の9月には、同研究所内へ新たに「宇宙科学研究センター」を開設し、宇宙の進化や地球生命の起源といった深遠な謎の答えを理工連携、文理融合で探求する取り組みを始めました。こちらもすでに東京大学宇宙線研究所との学術連携など、さまざまな活動がスタートしており、この方面も着実に充実しています。
また、ソフト面だけでなくハード面においても、脱炭素や省エネルギー、地域の防災拠点化など、SDGsの達成を強く意識しながら、学修環境の一層の拡充を図るべくキャンパスの再整備に注力しています。現在、世田谷キャンパスに建設中の新棟は、大学として唯一、経済産業省の「令和2年度ZEB(Net Zero Energy Building)実証事業」に採択されました。
私たちは、1929年に学生たちの「学びたい」という強い想いが結実して誕生したという、本学創立の由来を忘れずに、これからも学生の「学びたい」という想いに全力で応えるべく、進化し続けて参ります。
本年も引き続き皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
東京都市大学学長
三木 千壽