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トピックス詳細(受賞・表彰)
第2回「ヒロセ賞」を 東京都市大学 総合研究所 藤田博之 教授が受賞し、2022年7月3日、ザ・キャピトルホテル東急(東京都千代田区)にて、この贈呈式と記念講演が行われました。
ヒロセ賞は、公益財団法人ヒロセ財団(※)の設立25周年となる2020年に新設された学術賞で、「情報・通信・電気・電子工学分野において顕著な業績をあげた日本国籍を有する研究者」を対象としています。 藤田教授は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)研究の第一人者として、研究分野の創成期から同研究に深く携わり、その成果は幅広い他分野にも活用され、日本の科学技術の発展に多大なる貢献をしてまいりましたが、今回は「MEMSの先駆的研究とナノ材料評価・バイオ技術への応用」の研究が高く評価されたことにより受賞しました。
贈呈式では、ヒロセ財団 理事長の石井和徳氏より同財団とヒロセ賞についての紹介、選考委員長で元東京工業大学長の末松安晴氏より、選定理由についての説明があった後、藤田教授に賞状と記念のトロフィーに加え副賞として3000万円が授与されました。
これを受けて行われた記念講演で、藤田教授は「大変名誉ある賞をいただき、関係の皆さまに感謝したい」と感謝の言葉を述べた後、これまでの研究成果(光スイッチやナノピンセット)と現在取り組む研究(マイクロ振動発電機)について紹介し、結びには「まだまだ研究の旅路を続けたい。今回いただいた賞を励みにMEMSと関連分野の発展に貢献したい」と、今後の抱負を語りました。
藤田博之 教授 三つの主要な業績
1)静電駆動マイクロミラーを用いた世界初のMEMS光スイッチを実証した。(図1)
2)MEMSナノピンセットを作り、細胞や生体分子を捕獲して、単一細胞・単一分子レベルの超高感度な生物機械特性や生物化学反応の測定を可能とした。(図2)
3)電子顕微鏡内でMEMSを駆動し、ナノ物質の材料特性の評価と電子顕微鏡その場観測を同時に行う実験系(MEMS-in-TEM)を作り、極微の材料科学、熱科学、潤滑学に貢献した。(図3)
(※)公益財団法人ヒロセ財団
ヒロセ電機株式会社の創業者 廣瀬銈三氏の夫人、廣瀬静江氏からの寄附金を基本財産として1995年に設立。アジア諸国からの留学生に対する奨学援助事業に加え研究助成事業などを推進している。