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トピックス詳細(プレスリリース)
東京都市大学
東京都市大学(東京都世田谷区、学長:三木千壽)環境学部 環境創生学科の 横田 樹広 准教授は、豪雨時に内水氾濫※が心配される都市部において、緑地や植栽(公園、街路樹や庭、外構など)が果たす雨水貯留・浸透効果を診断・情報化し、アプリを用いて、住民が庭づくりやその管理などを通じて内水氾濫の防止に貢献できる配慮を得点化する診断ツールを開発しました。
近年の集中豪雨増加に伴い、雨水の流出抑制と下水道の負荷軽減を対象とする「流域対策」の重要性が指摘され、流域内の緑地や植栽を活用して雨水を貯留・浸透させたり、自然に戻したり、ゆっくり流したりする「グリーン・インフラ」(Green Infrastructure,略してGI)の導入が注目されています。
今回開発したツールは、人工衛星から得られる緑の分布と地形データを用いて緑地の立地を分類したうえで、アプリを用いて、緑地の機能を「遮断、浸透・貯留、流出、集水、溢水」の観点から現地において調査し簡易診断するもので、今後はツールの一般化と民有地への提案における活用を目指して、さらなる研究を進めてまいります。
なお、本研究成果の一部は2019年11月24日、環境情報科学学術研究論文集にて掲載されました。
本研究のポイント
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豪雨時に内水氾濫が心配される都市部において、雨水の流出を抑制するための緑地や植栽の効果を診断して情報化した。
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都市河川の流域全体を対象として、衛星データを活用し、緑地や植栽の地形を雨水の流出プロセスにおける位置に応じて分類・地図化した。
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庭の植栽の効果を簡易的に診断するアプリにより、住民が庭の管理などを通じて下水道の負荷軽減に貢献できることを可視化した。
概要
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高解像度の人工衛星によって得られる緑の分布と地形データを用いて、都市河川流域全体を対象として、緑地・植栽が地表を流れる水に対してどのような位置にあるか、集水域からどれだけの水が集まってくる場所の緑か、グリーン・インフラとしての機能を分類し、地図化しました(横浜市・帷子川流域でケーススタディ)。
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集水域の中で、民有地の庭が果たす機能を、遮断、浸透・貯留、流出、集水、溢水の観点から調査し簡易診断するツールを、GISアプリSurvey123(ESRIジャパン(株))を用いて開発し、適用しました。住民との協働による水害に強いまちづくりにむけて活用する予定です。(世田谷区・二子玉川周辺でケーススタディ)
研究の背景
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近年、集中豪雨の増加に伴い、都市河川流域における内水氾濫のリスクが増大しています。これに対して、河川流域全体で、コンクリート面などからの雨水の流出を抑制し、下水道への負荷を軽減する「流域対策」の重要性が指摘されています。
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その一つに、流域内の公園・街路樹や庭・外構などの緑を活用して雨水を貯留・浸透させ、自然に戻したり、ゆっくり流したりする、 「グリーン・インフラ」の導入が注目されています。
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欧米の都市ではすでに積極的な導入が進んでいますが、近年、世田谷区が豪雨対策行動計画の中にグリーン・インフラを位置付けるなど、国内においても本格的な展開が期待されています。
研究の社会的貢献および今後の展開
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今回の研究成果を活用することにより、流域内のどの地域のどのような緑地を積極的に活用して雨水流出を軽減するか、土地利用の中で検討することが可能となります。
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また、民家の庭や集合住宅の外構空間などで、緑の配置や構造などにおける配慮度合いを評価し、雨水流出抑制に貢献できる植栽の設置や管理、市民による活動を支援していく予定です。
用語解説
※内水氾濫:
街に降った雨水が下水道に一気に流れ込むことにより、下水道の中で水が流れきれずに、マンホールなどから雨水が逆流することで発生する現象。
<取材申し込み・お問い合わせ先>
企画・広報室(E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp)