東京都市大学 研究者一覧
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206 TCU Research Directory工 学宇宙環境放射線帯 電電子物性准教授 三宅 弘晃電気電子工学 電子・電気材料工学所 属工学部 機械システム工学科所 属研究室計測電機制御研究室H Phttp://www.eml.mse.tcu.ac.jp分 科細 目研究内容と目指すもの近年、GPSや地球観測などの衛星システムは必須の社会インフラとなっている。さらに近年の衛星の高電力化や太陽光発電衛星の実用化へ向けた取組など、衛星システムと宇宙環境(放射等)の相互作用による衛星の帯電が大きく問題になる状況にある。これまでの衛星の運用異常は、その半数以上が放射線による帯放電に起因しており、安定運用の為に人工衛星材料の帯電物性を把握し、衛星の設計段階から帯電対策を盛り込むことが求められているが、残念ながら材料の電子物性まで考慮した設計を行っていない。また、軌道上での帯電計測はほとんど実施されておらず、帯電障害の運用指針すら無い状況である。よって、衛星の高信頼化を図るためには、衛星材料の物性や宇宙環境とのインタラクションを盛り込んだ高度な衛星設計手法が必要であり、本研究により、高度な衛星の帯電評価手法を確立し、高信頼性を有した次世代型の衛星開発を可能にする事を目指す。1宇宙機材料の帯電物性に関する研究最近の研究テーマ2業績・プロジェクト・産学連携等3「劣化照射が可能な広エネルギー帯域二次電子放出測定システムの開発」電気学会論文誌A(2015)、“Determination of charge-trapping sites in saturated and aromatic polymers by quantum chemical calculation” IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation (2015) など 学術論文25件論 文放電学会 優秀論文発表賞(2009年)受 賞原子力規制庁事業(H26~)、JAXA設計標準委員会WG委員、革新的衛星技術実証プログラム調整委員、その他衛星設計関連ISOや帯電計測関連JEC等の規格取り纏めに参画プロジェクト参画科研費基盤C(H25~、研究代表)など他3件、JSPS二国間事業 SAKURAプログラム(H25~H26)、パワーアカデミー研究助成(H26~)他外部資金パルス静電応力法(PEA法)による帯電計測、二次電子放出係数測定、光電子放出係数測定、吸光度測定等の帯電物性計測と、量子化学計算を用いた電子物性の解析を合わせて総合的に帯電物性の解明を実施しており、放射線環境における最適な材料とは何かを追求している。測定装置は全て当研究室で開発したものであり、特にPEA法は下図のように20μm~1mmの厚みの絶縁材料電荷分布の位置、量、極性を定量的に計測できる手法であり、産業界からも注目されている手法である。また、これらの計測による帯電物性の研究は人工衛星、産業界で電子線やイオンビーム、プラズマを用いた精密加工等において帯電が原因でその加工精度に影響が生じていることもあり、宇宙分野以外にも放射線を用いた産業分野に適応可能である。計測結果及び量子化学計算等の解析を用いて総合的に放射線による絶縁材料の帯電現象及び除電について研究を実施している。国内外の複数ケーブルメーカ、東芝、富士電機、キヤノン、京セラなど共同研究産学連携研究者情報

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