TCU Research Directory 2023
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CASE 04Research Center渋谷福祉学会を設立し渋谷区と大会を共催未来都市における福祉課題の解決のための調査研究 本研究では、渋谷福祉学会の開設・運営に加えて、少子化対策、とくに保育・子育てを取り巻く課題の解決にも取り組んでいます。具体例の1つとして、保育士の職場定着に関するニーズを、Webアンケートに▪ 人間科学部 人間科学科 教授 早坂 信哉(センター長) / 教授 井戸 ゆかり / 准教授 横山 草介/准教授 松橋 圭子 / 准教授 宮川 哲弥▪ 総合研究所 子ども家庭福祉研究センター 研究員 亀田 佐知子子ども家庭福祉研究センター8 TCU Research Directory 2023渋谷福祉学会第5回大会の様子ハイブリット形式で渋谷区役所大集会室で開催された。福祉の課題を解決するため「渋谷福祉学会」を創設 未来の都市が抱える問題は多岐に及びますが、少子化、生産年齢人口の減少、独居高齢者の増加など、福祉に直結する課題は少なくありません。そこで私たちは、福祉施設関係者およびその利用者、渋谷区の福祉に関心のある区民や学生など、さまざまな立場からの発表・提案を通して、誰もが輝いて生きることのできる地域づくりを行うため、「渋谷福祉学会」を創設しました。これまでに6回の大会を開催し、回を追うごとに参加者は増え、ハイブリッド開催とした第5回大会では、280名に達しました。直近の第6回大会では「『切れ目のない支援を目指して』Wellbeing-幸せの社会と暮らし-に向けて」をテーマとしたシンポジウムや、高齢者の集いの場を主催するグループの活動報告、ポスター発表などを実施しました。一般の区民や学生がより参加しやすいよう、さらに工夫を重ねながら、今後この学会を、さらに実践的な福祉課題解決の場として展開していきます。保育現場や子育て世代、高齢者の課題解決にも挑戦よって検討しました。その結果、保育士の離職の要因は、給与水準や過大な業務負担などきわめて複合的で、相当な精神的ストレスを受けている可能性が考察でき、業務環境や処遇の改善、メンタルヘルスへの対応など、改善すべき課題が山積していることが分かりました。その一助として、保育現場におけるIoT・センシングの活用を検討、AIを用いた心拍・体温のモニタリングシステム開発のための調査を実施しています。多くの保育施設では「午睡時5分に1回目視確認」が励行されていますが、このようにしてシステムへと代行可能な業務を検討することで、多忙を極める保育士の負担軽減につなげたいと考えます。他にも、子育て世代が抱える課題の抽出や高齢世代の健康寿命延伸の方途を探るための調査研究など、福祉の課題に対して多角的に取り組んでいきます。

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