TCU Research Directory 2023
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亀カメヤマ山 雄ユタカ高准教授100 TCU Research Directory 2023粒子をぶつけるだけ シンプルで多機能な微細加工手法微粒子ピーニング / テクスチャリング加工 / 機能性表面 / トライボロジー研究テーマキーワード理工学部 機械工学科表面加工研究室研究者情報最近の研究テーマ微粒子ピーニング(FPP)を用いて、周期的な微細構造を作製(テクスチャリング)する手法を開発しています。テクスチャリング加工は、すべり摺動面の低摩擦化を図る技術として自動車産業などで近年注目を集めています。本手法は、今日一般的な方法と比べてシンプルな工程(マスキング処理が不要)でテクスチャリングを行うことができます。この原理を応用したガラスの新規な表面改質プロセスの提案にも取り組んでいます。さらに、構造の形成と同時に、粒子成分を移着させることも可能(たとえば、潤滑性を有する物質などを付与できる)です。また、本学独自開発のめっき液を利用して、環境にやさしい工業用硬質クロムめっきを行う研究にも取り組んでいます。研究内容と目指すものマイクロメートルオーダーの微粒子を材料へ投射する加工技術「微粒子ピーニング(FPP)」を用いて、機能性表面を創製する手法の研究を行っています。そのための原理として、FPPによって微粒子成分を被加工面へ残存(移着)させる、あるいは微細構造を形成させる、などの効果に着目している点が本外部資金• 科研費基盤研究(C)『粒子衝突プロセスにおける特異な異種材固相接合現象の究明と常温付加加工への展開』(2021年~)• 科研費基盤研究(C)『過酷なしゅう動条件下で摩擦低減をもたらす物理的かつ化学的な表面テクスチャの創製』(2018年~2023年)研究の特徴です。機械のすべり摺動面(自動車など)の摩擦低減、各種皮膜の密着性向上、金型や建材への防汚性の付与などへの適用を想定しています。また、FPPとめっきを組み合わせた複合表面処理法の提案や、関連して硬質クロムめっきの環境負荷低減、性能向上に関する研究にも取り組んでいます。• JST A-STEP シーズ顕在化タイプ『表面シリサイド化処理を前工程とするダイヤモンド成膜法の高度化と鋼製切削工具への応用』(2013年)• そのほか、民間からの研究助成金(助成テーマの例: 防汚性表面の創製、皮膜密着性評価、親疎水性の改質手法など)技術の特徴微粒子ピーニング(FPP)は、常温大気中で施工可能で、特定の場所への局所処理にも大型構造物への現場施工にも対応できる簡便さを持ちながら、著しい改質効果を得られる手法です。従来は材料強度の向上が主な目的であったFPPの新たな可能性として、材料表面にさまざまな付加価値を与える方法の構築を目指しています。技術の用途例えば、機械のすべり摺動面(自動車など)の摩擦低減、金型や建材、屋外設置のガラス構造物表面への防汚性付与、各種コーティングの密着性向上などへの適用が想定されます。企業等との連携可能テーマ• ショットピーニング、微粒子ピーニング、噴射加工による表面改質(とくに、機能性表面創製をねらいとした粒子開発など)• テクスチャリング加工(トライボロジー応用、防汚表面創製など)• 皮膜の密着性改善および密着性評価知的財産権・関連論文情報・著書• H.Suzumoto, Y.Kameyama, et.al.: International Journal of Abrasive Technology, 11, 3 (2023) 184-195• 市川裕士,所竜太郎,亀山雄高:日本金属学会誌,84, 1 (2020) 28-35

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