TCU Research Directory 2023
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藤フジマ間 卓タクヤ也教授108 TCU Research Directory 2023階層性ナノ多孔層ガラスの構造形成と機能化/有機透明導電膜と熱電変換超親水性 / 反射防止(AR)性 / 有機透明導電膜 / 熱電変換研究テーマキーワード理工学部 機械工学科機械材料研究室研究室HP研究者情報2020-2022)など• 財団助成金 計5件 立石科学技術振興財団、新世代研究所、日揮・實好奨学会、池谷科学技術振興財団、岩谷直治記念財団最近の研究テーマ近年、我々は簡便な方法によって下写真のような、ナノスケールの多孔質層をガラス表面に作り出すことに成功しました。この構造は、従来に無い長寿命の超親水性(それによって得られる防汚性、防曇性)および、高い反射防止性を発揮することが明らかになりました。さらには耐指紋性、物質充填性なども明らかになり、現在は、この構造の形成メカニズムの解明と、幅広い分野での実用化を目指して研究を進めています。また、全く異なるテーマとして、軽量で柔らかく透明なのに電気を通す「導電性高分子」についても研究を進めています。ポピュラーなPEDOT/PSSでは、その複合構造を制御することで世界最高水準の導電性を実現し、また、わずかな温度差から大きな電圧を発生する特殊な熱電性能を見出し、これらの原理解明と性能向上を目指しています。研究内容と目指すものナノメートルスケールの微細構造を用いて複雑かつ高度な機能性を実現する技術は、盛んに研究されている分野の一つです。しかし多くのナノ構造材料は複雑な作製プロセスを要する外部資金• 科学研究費等 計4件 科学研究費(基盤B、2022-2024)、A-STEP(育成型、という課題もあります。我々は、簡便かつ低コストに実現できる、実用性の高い機能性ナノ構造材料を創成し、またその機能性のメカニズムを解明することを目指しています。• 受託研究  計20件技術の特徴広く普及している材料であるガラス表面に、簡便な処理によって機能性の多孔質層を作り出すことが可能です。さらには、従来不可能であった長寿命の超親水性や、広い波長域に対する反射防止(AR)効果など、産業界でもニーズの高い特性を発揮します。導電性高分子については、透明性と導電性を高いレベルで両立できます。また熱電性能については、従来材料にくらべて極めて大きい電圧で発電できます。技術の用途超親水性による防汚・防曇性の活用例としては、屋外設置の映像機器や光関連センサー、また、光低反射性については、光学デバイスや太陽電池パネルカバー等への応用が考えられます。その他、多孔質内への物質充填による様々な機能性ガラス実現も期待されます。また導電性高分子は、レアメタルを含むITOを代替する透明導電膜として、また熱電特性についてもIoTにむけた分散電源、エナジーハーベスティングを実現する材料として期待されます。企業等との連携可能テーマ• ガラスの超親水化(防汚・防曇)• ガラスの光反射防止(AR)知的財産権・関連論文情報・著書• 特許第6211247号「機能性網状構造体」など• K. Yasumoro, Y. Fujita, H. Arimatsu, T. Fujima; “A New Composite Structure of PEDOT/PSS: Macro-Separated Layers by a Poly-electrolyte Brush”, polymers, vol.12, №2, 2020/02, p.456.など• 「超親水・親油性表面の技術」(分担執筆)、サイエンス&テクノロジー、2018年3月など• 材料表面への水滴滑落性付与

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