TCU Research Directory 2023
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金カナザワ澤 昭アキヒコ彦教授TCU Research Directory 2023 111新世代エネルギーデバイス用の電子-イオン両導電性ポリマーの開発導電性高分子 / 液晶材料 / 蓄電・発電デバイス / 精密重合触媒研究テーマキーワード理工学部 応用化学科高分子・バイオ化学研究室(機能性高分子)研究室HP研究者情報最近の研究テーマ東日本大震災の後、環境・エネルギー施策の点検の中、太陽光、風力、地熱などの再生可能エネルギーや水素エネルギーへの関心が高まっています。非化石エネルギーの高度利用には、燃料電池や太陽電池などの分散型発電デバイスとLiイオン二次電池などの蓄電デバイスを組み合わせたシステムが必須となります。われわれは現在、電子伝導性(電子、正孔)とイオン伝導性(Liイオン、プロトン)の両方を同時に示す新構造単位(一硫化炭素、共役7員環)からなる混合伝導性ポリマーを設計・合成し、それらを広温度帯域対応の新世代の蓄電・発電デバイス(全固体Liイオン電池、燃料電池)へ応用することに取り組んでいます。研究内容と目指すもの高分子合成化学、材料化学、液晶化学、有機リン化学、光化学を基盤として、新規な反応開発から、化合物合成、物性評価、構造制御、新機能開拓、デバイス応用まで一貫して行っています。素材としては自然界に存在する天然由来物質や簡単に入手できる汎用化成品を研究対象として、産業上有用な物質や外部資金• JSPS「科学研究費助成事業 基盤研究(C)」(H31-R3)• JST「研究成果展開事業 A-STEP 機能検証フェーズ」(H30-R1)• NEDO「先導的産業技術創出事業」(H23-H27)• JSPS「科学研究費助成事業 基盤研究(C)」(H23-H25)• JSPS「科学研究費助成事業 基盤研究(S)」(H21-H22)未知の高分子化合物を創製することを目指しています。例えば、精密重合プロセスや液晶配向プロセスにより電子伝導性やイオン伝導性、酸化還元応答性などが協奏する多重機能性ポリマーを開発し、新世代の蓄電・発電デバイスなどへの応用を図っています。• JSPS「科学研究費助成事業 萌芽研究」(H19-H20)• NEDO「産業技術研究助成事業」(H18-H22)• NEDO「次世代航空機用構造部材創製・加工技術開発プロジェクト」(H15-H19)• JSPS「科学研究費助成事業 基盤研究(B)」(H15-H16)技術の特徴蓄電・発電デバイスにおけるエネルギー密度と出力密度との関係から、既存の内燃機関を標的とすると、Liイオン電池は大容量化・急速充電を、燃料電池は小型化・高出力化を1桁以上向上させる必要があります。当該混合伝導性ポリマーは、この問題を克服する基幹材料として利用することができます。技術の用途本研究で開発した電子-イオン両導電性ポリマーは新しい有機π共役系材料として、Liイオン二次電池用正極材やスーパーキャパシタ(レドックス型キャパシタ)材料、燃料電池用カソード触媒層電解質の他、熱電発電用材料、有機電子光機能材料、機能性炭素材料として広い分野での利用が期待されます。企業等との連携可能テーマ• 新規導電性ポリマーの合成と蓄電・発電デバイス材料への応用• 有機メソポーラス材料の開発と有機エレクトロニクス分野・環境エネルギー分野への応用• 可溶性ナノ金属硫化物・硫酸化物半導体の開発と用途開発• リビングラジカル重合触媒の開発と用途開発知的財産権・関連論文情報・著書• WO2021/069951「リチウムイオン二次電池用正極活物質」• 特許第6606412号「非水電池」• 金澤昭彦、ポリ硫化炭素を正極材とする高容量リチウムイオン電池の開発、化学工業、58-63(2019)• 金澤昭彦、ポストリチウムに向けた革新的二次電池の材料開発、NTS、97-106(2018)

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