TCU Research Directory 2023
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塩シオツキ月 雅マサシ士准教授ブロック共重合体の自己組織化により形成されるナノレベルのドメインの構造の例TCU Research Directory 2023 113異種重合の同時進行による新材料創生高分子材料 / 精密重合 / 共役高分子 / 有機発光材料研究テーマキーワード理工学部 応用化学科有機合成化学研究室(構造化学)研究者情報最近の研究テーマ分子構造デザインに基づいた機能性高分子・機能性材料の合成法開発と応用を研究テーマとしています。高分子合成については『非金属系開始剤によるビニルモノマーの精密重合』に取り組んでいます。これらの手法は金属系試薬を用いないアトムエコノミックな手法として新しい高分子材料を環境に配慮した方法で生み出すことができます。例えば重金属を含まない精密構造ポリマーの合成系は、生体材料の合成などに応用ができ、工業的にも大きな利点を有する研究を行っています。材料開発の視点からは『新規機能性高分子膜の開発とガス分離材料としての応用』にも取り組んでいます。実際には地球温暖化ガスの効率的回収を実現する気体分離膜材料を新たに開発しガス分離デバイスへ展開することを検討しています。研究内容と目指すものナノレベルの構造制御に基づいた次世代有機材料が注目されています。特に近年は精密重合により多様な高分子が合成可能となっていますが、当研究室では、ブロック共重合体などの精密構造材料をより簡便に与える触媒や重合開始剤を開発しています。 その応用としては極微細レジスト材料や太陽電池材料、外部資金• 科学研究費補助金[基盤研究(C)]、塩基性固体合成プロセスに基づく新しい気体透過材料の構築と温室効果ガス分離への応用• 科学研究費補助金[若手研究(B)]、研究課題名:異種配位子のアンカリングによる相補性多座配位子の合成と重合触媒への応用燃料電池材料、相溶化剤、粘着剤、熱可塑性エラストマーなどが考えられます。 また共役構造分子の機能発現をテーマとして、共役化合物の新規合成手法開発ならびに光機能材料、剛性材料、外部刺激応答材料などへの応用に取り組んでいます。• 小笠原科学技術振興財団、研究課題名:置換ポリアセチレンの効率的合成手法の開発および置換ポリアセチレンのらせん形成能に関する研究技術の特徴重合触媒の分子デザインに基づき、従来法では合成が難しい精密構造高分子材料を簡便かつ効率的に得る手法を開発しています。特にブロック共重合体については、新たな合成法の開発により合成ステップ数を削減し、容易に材料を与える系を見出しています。その他、共役化合物の合成を基盤として、光機能性材料、外部刺激応答性材料の開発にも取り組んでいます。技術の用途ブロック共重合体は、極微細レジスト材料や太陽電池材料、燃料電池材料、相溶化剤、粘着剤、熱可塑性エラストマーとしての利用・応用が可能です。光機能性材料の応用としては、EL・PL材料、光機能材料、光-エネルギー変換材料、刺激応答性材料への応用を目指しています。企業等との連携可能テーマ• 高活性重合触媒、温和な重合反応系の構築、反応機構の解明と材料合成条件の最適化• 高分子材料の機能発現、分子デザインにもとづく材料開発• 共役発光材料、刺激応答性材料、エンジニアリングプラスチック、高耐熱性材料知的財産権・関連論文情報・著書知的財産権:1)リビングラジカル重合の有機重合開始剤,特許第6045938号 2)カルバゾール基を有するポリマー,カルバゾール基を有するモノマー及び化合物,特許第7356698号. 他7件.関連論文情報:“Synthesis of block copolymers using endfunctionalized polyacetylenes as macroinitiators” Polym. Chem. 2018, in print. 他159件.

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