TCU Research Directory 2023
125/326

星ホシ 裕ユウスケ介准教授TCU Research Directory 2023 123層状化合物の基礎物性調査層状化合物 / 半導体ヘテロ構造 / 結晶成長 / 光学特性研究テーマキーワード理工学部 電気電子通信工学科ナノエレクトロニクス研究室研究室HP研究者情報最近の研究テーマTMDを六方晶窒化ホウ素(hBN)で封止すると、荷電不純物や表面荒れの影響を減らすことができ、TMD本来の光学的性質を調べることが可能になると期待されています。原子層転写技術によりhBN/1L-TMD/hBN構造を作製し、その発光特性を調べたところ、hBNで封止しない構造と比べて、強励起状態において発光強度が1桁以上大きくなることを発見しました。この結果は、TMDのhBN封止構造が高効率発光素子開発の実現に高いポテンシャルを持つことを示しています。研究内容と目指すもの物質科学の新たな研究舞台となる原子層材料をターゲットに、光電子素子の高機能化を実現することを目的として研究しています。原子層材料とは、グラフェンに代表されるように、わずか1原子層で構成される結晶であり、これを用いた新たな研究が急速に展開されています。遷移金属ダイカルコゲナイド外部資金• 科研費 基盤研究(C)「電場誘起pn接合を利用した近赤外光放射する電流注入型円偏光発光素子の創製(2021-2023年度)」(代表)• 財団法人立石科学技術振興財団 研究助成A (2022年度)(TMD)は、その中でも中心的な材料であり、単原子層のTMDは、その物性上の理由から、次世代光電子素子開発のための母材として注目されています。本研究では、このTMDの基礎光学特性を詳細に調べ、その性質を利用し光電子素子の高機能化の実現を目指しています。• 財団法人村田学術振興財団 研究助成 (2021年度)• 財団法人笹川科学技術財団 研究助成 (2016年度)• 財団法人村田学術振興財団 研究助成 (2012年度)技術の特徴近年、電荷やスピンに加え、バレーという新たな電子の自由度を活用したバレートロニクスが注目されています。本研究ではバレートロニクスに有用な原子層材料として知られる遷移金属ダイカルコゲナイドを活用した円偏光発光素子を開発しています。技術の用途近年のIT化の急速な進展に伴い、情報セキュリティ問題が重要な課題としてあげられています。従来の光通信用発光源に、本研究で開発している円偏光発光素子を取り入れることで、より堅牢な暗号通信が可能になると期待されています。企業等との連携可能テーマ• 半導体材料の基礎光学特性と光電子素子開発(LEDや太陽電池など)に関する研究• 半導体材料の転写技術に関する研究(層状化合物の転写や、貼り合わせ法による歪みGe-on-Insulator基板の作製など)• グラフェンを利用した新規デバイス開発(ガスセンサや超音波センサ応用など)に関する研究知的財産権・関連論文情報・著書• S. Muranaka, Y. Hoshi et al., AIP Adv., Vol.13, 2023, pp.075219, DOI: 10.1063/5.0155417.• S. Hayashida, Y. Hoshi et al., ACS aem, Vol.2, 2020, pp.2739 DOI: 10.1021/acsaelm.0c00452.• Y. Hoshi et al., Physical Review B, Vol.95, 2017, pp.241403(R) DOI:10.1103/PhysRevB.95.241403.

元のページ  ../index.html#125

このブックを見る