TCU Research Directory 2023
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三ミタニ谷 祐ユウイチロウ一郎教授124 TCU Research Directory 2023高信頼性ナノデバイス素子化技術ナノデバイス信頼性工学 / 薄膜固体物性 / トランジスタ技術 / メモリ技術研究テーマキーワード理工学部 電気電子通信工学科ナノエレクトロニクス研究室研究者情報最近の研究テーマIoT社会の発展による超情報化社会を支える半導体デバイスは、微細化による高密度化・高速化・高性能化が進んでいます。中でも半導体メモリは、大容量化によって多くの情報を記録するデバイスとして、この超情報化社会を支える重要な技術となっています。一方で、半導体メモリは単なる記録媒体という機能のみならず、人間の脳を模倣した情報処理技術(脳型コンピューティング)におけるデバイスとしての応用が期待されています。現在我々のグループでは、現行のフラッシュメモリ素子構造中の水素量を制御することで記憶時間を制御する技術や、ナノカーボンと呼ばれる炭素で構成される材料を用いた新規メモリ技術に着目し研究を進めています。これらの技術により小型で高性能な革新的ナノデバイスを創成し、IoT社会のさらなる発展に貢献することを目指しています。研究内容と目指すものIoT機器に搭載される電子機器や電子デバイスは、小型で低消費電力だけではなく、長期間使用を想定し壊れにくいこと(ロバスト性)が必要となります。従来電子デバイスにおいてはスペックで決められた保証期間を満たすことが安全性能とされてきましたが、社会インフラや生体内など求められる安全性のレベルが数段上がる用途の電子デバイスにおいては、数値としてのスペックでは表現できない人間や社会に対して与え得る”安心感”を性能や価値の一つとして付加していく必要外部資金• 科研費 基盤研究(C)「原子状水素を用いたシリコン窒化薄膜のナノ欠陥制御と信頼性向上に関する研究(2022-2024)」 (代表)• JST A-STEPトライアウト 「マイクロ波励起プラズマ処理によるシリコン窒化膜中水素濃度分布制御と電圧駆動型固体素子ニューロンの開発(2022-2023)」(代表)があります。この「あんしんテクノロジー」の概念を実現するため、当研究室ではナノテクノロジーの視点から新技術の創成に取り組んでいます。例えば、近年量子コンピューターや宇宙用途で注目される極低温環境下での半導体素子の安定動作もその一つで、このために高精度・高感度な電気特性計測技術と原子スケールでの現象理解に基づいて、ナノ技術とマクロ技術の有機的・革新的融合により生み出される新技術が必要不可欠であると考えています。• 複数企業との共同・受託研究(2022-)技術の特徴使用中に性能が劣化する経時変化を抑制し長期間安全に機能し続けられる電子デバイスの実現の観点から、原子スケールの性能劣化の機構解明に立脚した高信頼性半導体デバイス技術。技術の用途高度情報化社会、次世代IoT社会の基盤となる半導体デバイス(情報を記録・記憶する不揮発性メモリ素子や情報をセンシングし処理するトランジスタ素子など)の実現。企業等との連携可能テーマIoTデバイスへの混載など低コスト、小型、低消費電力のトランジスタ技術や不揮発性メモリの開発、さらには半導体デバイスの歩留まり・品質を向上させる高信頼化技術の開発、原子スケールの現象理解に必要となる電気特性評価技術開発など。知的財産権・関連論文情報・著書• Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 62, No. Pp. SG1035-1 - 5 (2023). • Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 58, No. SB, pp. SBBK02-1 - 4, (2019).• IEEE International Reliability Physics Symposium Proceedings (IRPS), pp. 3A.41-48 (2018).  など• 薄膜作製応用ハンドブック、株式会社エヌ・ティー・エス

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