TCU Research Directory 2023
128/326

伊イトウ東 明アケミ美教授126 TCU Research Directory 2023ピストンリングしゅう動面油膜厚さに関する研究エンジン / トライボロジー / 摩擦 / 摩耗研究テーマキーワード理工学部 機械工学科内燃機関工学研究室研究者情報最近の研究テーマエンジンのピストン周りの潤滑に使用されたオイルは、燃焼室に流入し、排気と共に外部に排出されます。これをオイル消費と言います。オイル消費はPMの要因となるほか、水素エンジンではオイル消費に起因する異常燃焼が出力の低下を招くため、オイル消費の低減が強く求められています。オイルが燃焼室に流入する経路の一つがピストンリングとシリンダの摺動面です。ここに存在する潤滑油膜の油膜の厚さを測定し、その低減策および予測手法を検討しています。ピストンリングに光ファイバーを埋め込み(下図)、レーザーを使用して実働中にシリンダ上の油膜厚さ分布を測定する技術は本学独自のものです。研究内容と目指すもの内燃機関の内部で部品と部品が擦れあうしゅう動面とよばれる部位では、摩擦、摩耗、焼付きなど機能および信頼性・耐久性に影響を及ぼす問題が発生します。このしゅう動面で発生する問題を取り上げ、そのメカニズムの解明に取り組んでいます。これにより、内燃機関の設計段階でそういった問題の予測外部資金• 自動車会社、エンジン部品メーカー、石油会社等からの受託研究多数• 環境省「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業(既販中型重量車の水素エンジン化事業性検証プロジェクト)」計算を可能にするような設計技術の確立を目指しています。さらにこれまでに培った摺動面に関する解析技術を活用し、水素エンジンの実用化に関する研究を推進しています。これによりカーボンニュートラルな内燃機関の確立を目指しています。• 環境省「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業(水素専焼エンジン油圧ショベル及び水素供給実証プロジェクト)」技術の特徴ピストン頭部をエンジン実働中に周方向回転させることができる回転ピストンに光ファイバー埋めたオイルリングを搭載することにより、オイルリング摺動面の周方向および軸方向の油膜厚さ分布を光学的に測定できます。技術の用途オイル消費低減のために当該部油膜厚さを必要最低限とするためのピストンリング設計を検討するために役立ちます。企業等との連携可能テーマ• エンジンの運動系部品の潤滑メカニズム解析、摩擦損失低減、オイル消費メカニズム解析等• 各種しゅう動部の不具合発生メカニズム解析• 摩擦力、挙動、温度(バルク)、油膜厚さ測定知的財産権・関連論文情報・著書• 齋藤誠至、今井徹、伊東明美、乾正継、ガソリンエンジンのシリンダ変形及びピストンリング張力とオイル消費に関する研究、自動車技術会論文集、査読有、2012年43巻3号p.661-666 DIO:https://doi.org/10.11351/jsaeronbun.43.661• Sato, T., Kurita, H., Ito, A., and Iwasaki, H., "Friction Measurement of Al-17%Si Monolithic Cylinder with using Newly Developed Floating Liner Device," SAE Int. J. Engines 8 (1):135-142, 2015 DIO:https://doi.org/10.4271/2014-32-0052

元のページ  ../index.html#128

このブックを見る