TCU Research Directory 2023
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熊クマガイ谷 正マサヨシ芳教授TCU Research Directory 2023 137量子ビームを用いた機械材料の強度・変形解析機械材料 / 強度解析 / 残留応力 / X線回折・中性子回折研究テーマキーワード理工学部 機械システム工学科強度設計システム研究室研究室HP技術の特徴研究者情報最近の研究テーマ金属材料を中心とした機械・構造用材料の強度・変形に関する研究を行っています。特にX線や中性子といった量子ビームを用いた評価手法(下図参照)を中心に電子顕微鏡観察(SEM・EBSD)や有限要素法解析(FEA)なども用いて研究をしています。中でも、ラインプロファイル解析(LPA)と呼ばれる回折線のプロファイル形状を解析する手法を用いて、材料中の転位量を評価する技術を利用し、材料の微視組織に基づく金属材料の強度・変形機構の解明に取り組んでいます。応用面ではショットピーニングなどの表面処理材料の残留応力や加工硬化に関する研究や、疲労損傷評価、熱時効などの研究テーマに取り組んでおり、民間企業との共同研究も積極的に行っています。研究内容と目指すもの形ある機械・構造物を作り運用していくためには、用いられる材料の機械的性質の把握が必要不可欠です。材料の機械的性質といった巨視的な現象は微視的な現象の結果として生じますが、巨視的~微視的現象の間には大きなスケールギャップが存在したり、材料組織自体にもスケールの異なる構造が階層的に存在していることなどが現象理解の妨げとなります。そ外部資金• 科学研究費 若手研究(B) 「X線回折法を用いた疲労損傷の早期非破壊評価法の開発」(R1.4-)• 科学研究費 若手研究(B) 「バルク黒鉛材料の強度評価高精度化のためのX線応力測定技術の確立」(H28.4-H30.3)X線ラインプロファイル解析では微視レベルの材料組織をマクロ領域での統計量として評価することが可能で、現象理解や破壊や変形に関する指標としての利用が期待されています。技術の用途材料開発のための基礎研究や品質保証、また機械構造部材の損傷評価や品質管理などとしての利用が期待されます。企業等との連携可能テーマ• 各種金属材料や機械構造物のX線残留応力測定• 光学顕微鏡、走査電子顕微鏡、EBSDなどによる材料の組織観察• ラインプロファイル解析による転位密度解析知的財産権・関連論文情報・著書• 「X線・中性子を用いたラインプロファイル解析法による転位組織評価」、まてりあ 63、1(2023) https://doi.org/10.2320/materia.62.30• 「X線回折強度曲線からの機械的性質の見積もり」、材料試験技術 67、2(2022) https://doi.org/10.57536/jmtraj.67.2_40  ほかこで、X線や中性子の回折を利用した微視レベルの材料組織をマクロ領域での統計量として評価する研究に取り組んでおり、スケールギャップを克服したマルチスケールでの評価方法の構築やそれらを利用した材料強度・変形に関わる現象の理解を目指しています。• 民間企業からの受託研究等

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