TCU Research Directory 2023
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島シマノ野 健ケンジロウ仁郎教授内皮細胞への血小板粘着量測定生体流体力学 / 生体内伝熱現象 / 数値流体力学 / 血栓形成皮細胞上に折り重なるように粘着している血小板TCU Research Directory 2023 139研究テーマキーワード理工学部 機械システム工学科熱流体システム研究室研究室HP研究者情報最近の研究テーマ血栓形成は脳血管障害の大きな原因である一方、脳動脈瘤のコイル塞栓術のように血栓形成を積極的に治療に用いる場合もあります。しかし、その定量的知見は十分ではありません。本研究では低ずり速度下で血小板が内皮細胞に粘着する量を血流速度やアゴニスト(ADP、トロンビン)濃度を変化させて調べています。こうした基礎データを元に脳動脈内で起こる血栓形成をシミュレーションにより精査していきます。研究内容と目指すもの生体内での流体力学現象が病気の発生において大きな役割を果たしているものとして脳血管障害があります。こうした病気の発生メカニズムの理解や的確な診断、治療のためには血流を詳細に把握することが重要であり、数値流体力学に基づくコンピュータ・シミュレーションを行っています。しかし、実際外部資金• 挑戦的萌芽研究「3次元性を考慮して2次元平面内流速分布を推定する計算手法の基礎的研究」(H27-29)• 基盤研究(C)「血流ストレスと血管内皮から見たもやもや病の病態解析」(H28-30)の病気は生理学や生化学等も含む複合的な要因で発生するものであるため、これらの分野も統合したシミュレーションを目指しています。そのために、たとえば血栓形成の実験を行い、血栓形成数理モデル構築のための基礎データを獲得する研究も積極的に進めています。• 受託研究 医療法人社団北星会「腹囲の形状と皮膚表面温度を同時計測するシステムの開発」(H30-31)• 基盤研究(C)「低ずり応力下で無損傷の内皮細胞に粘着する血小板数の測定」(R3-5)技術の特徴• 医用画像に基づくpatient-specificな3次元形状モデルの作成• 医用画像に基づく精緻な血流シミュレーションおよび伝熱解析• 生体の温度計測と伝熱解析• 血栓形成の評価技術の用途• 脳血管障害や心疾患の血行力学的解析• 皮膚表面温度分布に基づく脂肪量評価および炎症の評価企業等との連携可能テーマ• 生体内の流動現象に関する測定とシミュレーション• 生体内の熱移動現象に関する測定とシミュレーション• 医用画像を利用したpatient-specificなシミュレーション知的財産権・関連論文情報・著書• Y. Ogawa et al., In vitro measurement of platelet adhesion to intact endothelial cells under low shear conditions, Biorheology,  査読有、Vol.54, 2018, pp51-65 DOI 10.3233/ BIR-17139• M. Matsuo et al., Vulnerability to shear stress caused by altered peri-endothelial matrix is a key feature of Moyamoya disease, Scientific Reports, 査読有, Vol.11, 2021 DOI 10.1038/s41598-021-81282-9

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