TCU Research Directory 2023
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佐サトウ藤 幸サチエ恵准教授(左)北海道沿岸部の暴露試験場において材料の自然環境での劣化を試験し凍害・塩害への耐久性試験状況(右)火山礫や火山灰を使ったセメントを使わない環境配慮材料(ジオポリマー)の切断面の例156 TCU Research Directory 2023材料劣化モデルの構築、建材リサイクル、維持管理建築物の長寿命化 / 資源循環 / 材料設計 / 環境負荷低減研究テーマキーワード建築都市デザイン学部 建築学科建築材料工法 佐藤研究室研究者情報最近の研究テーマ解体コストの増大や省資源化指向により、高度経済成長期に大量に建築された建築物を補修・改修し長寿命化することや、解体した建物のコンクリート塊から再生骨材を製造して資源循環システムを普及させる試みが行われています。再生骨材は耐久性に関する知見が十分でないこともあり、各種の製造工程により品質が異なる場合の耐久性評価を行っています。また、火山国である日本では、火山性堆積物が豊富に存在します。しかし、多くの場合は有効に活用されずに未利用資源となっている場合が多くあります。そこでこれらの資源を活用した環境負荷が低く吸放湿性や吸音性能に優れた建材の開発を行っています。材料設計に関して、これまで多くの実験が行われてきましたがそれらを近年活用が盛んになってきているAI技術の一つである機械学習で分析し材料設計に取り組んでいます。研究内容と目指すもの合理的な材料設計を指向した実構造部材環境中のセメント水和物の組織構造と力学特性の評価。地球環境問題の観点から、建築材料における産業副産物の有効利用の要求が高く、また、生産および解体コストの低減によるライフサイクルコスト削減のための建築物長寿命化が社会的に求められています。これらを実現するべく材料学的観点か外部資金• 科学研究費補助金 基盤研究(C)「高度資源循環型社会の構築に向けた低品質再生骨材の利用最適手法の提案」2022-2025,研究代表者• 科学研究費補助金 基盤研究(C)「コンクリート構造物の生涯性能に及ぼす履歴温度の影響に関する実験的研究」,2019-2023,研究代表者• 科学研究費補助金 基盤研究(C)「経年劣化した鉄筋コンクリート造建築物の耐久性予測に基づく寿命制御手法の構築」,2016-2018,研究代表者ら研究を行い、仕上材料の劣化が鉄筋コンクリート造建築物の構造躯体の品質に及ぼす影響や長寿命を指向した超高強度コンクリート躯体の品質分析について検討を行っています。また、近年活用されている機械学習や画像処理を活用して建築現場や災害時などに活用出来る予測モデルや省人化システムの開発を目指します。• 国交省建築基準整備促進事業 「S16指定建築材料ごとに国土交通大臣が指定する日本工業規格における高強度のコンクリートの追加に関する検討」2014,分担者• 国交省建築基準整備促進事業「S14コンクリートの強度管理の基準に関する検討」2014,分担者• 科学研究費補助金 若手研究(B) 2012-2013,研究代表者,他技術の特徴実構造部材環境中のセメント水和物の組織構造と力学特性の評価。産業副産物の有効利用による環境負荷低減やライフサイクルコスト削減のための建築物の長寿命化手法を材料学の観点から追求しています。技術の用途既存建築物の寿命予測技術への利用、合理的な材料設計技術の構築、高機能・高性能建築材料の開発応用、仕上材料の躯体保護性能評価。コンクリートの初期養生度を加味した品質評価技術。企業等との連携可能テーマ• 構造体コンクリートの品質評価、材料設計• 仕上材の劣化予測とコンクリートの耐久性評価• リサイクル材料の建築材料への利用・普及技術知的財産権・関連論文情報・著書S. Sato, Y. Masuda: Study of carbonation progress prediction on existing reinforced concrete buildings with variations in surface mortar layer,XIV DBMC, May 2017,「建築材料新テキスト」彰国社,2014,共著

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