TCU Research Directory 2023
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焦ジャオ 瑜ユTCU Research Directory 2023 157建築鋼構造の耐震・耐火性能鋼構造の耐震設計 / 地震・火災連続災害対策 / 免震・制振構造 / 鋼製ダンパー研究テーマキーワード准教授建築都市デザイン学部 建築学科焦研究室研究者情報最近の研究テーマ● 熊本地震では、3日間以内最大震度6弱以上の地震が5回発生し、甚大な被害を受けました。短時間で大規模な前震、本震及び余震に連続で襲われた場合、梁部材の塑性変形能力を正確に評価することの必要性が改めて再認識されました。本研究では、小振幅と大振幅交替で現れる多数回の地震を想定した載荷履歴を含めて、様々な地震で起こり得る全振幅領域でのランダムな載荷履歴を受ける鋼構造柱梁接合部の塑性変形能力を精度良く評価する方法を提案します。● 大地震に伴う火災が起こる確率が高く、火災前の地震による鋼材の塑性化がある程度進んだ場合、「健全」な鋼材の高温時性能モデルが適用できない可能性があります。本研究では、震災後火災が起こる場合鋼構造の火災時挙動を評価するために必要な損傷を受けた各種鋼材の高温時性能を解明します。研究内容と目指すもの鋼構造建物の設計を行うには、骨組を構成する部材や接合部の性能を正しく把握しておく必要があります。特に大地震時に損傷を受ける箇所については、部材や接合部の性能を限界づける鋼材の限界状態も明かにしておく必要があります。本研究室は、鋼部材や鋼構造骨組の耐震性能を評価し、その高度化を図ります。また、保有耐震性能が不足している既存鋼構造外部資金• 「震災後鋼構造建物の耐火性能評価」、日本鉄鋼連盟、鋼構造研究・教育助成• 「力学的合理性を備えた鋼管ブレース接合部の開発」、東急建設株式会社、共同研究• 「任意の載荷履歴を受ける鉄骨梁端接合部の塑性変形能力評価法及び履歴モデルの提案」、学術振興機構、科学研究費• 「鋼製スリットダンパーの低サイクル疲労特性及び動的耐震性能の定量化」、学術振興機構、科学研究費• 「鋼構造柱梁接合部の耐震性能を評価するための実験載荷プロトコルの提案」、東京工業大学、共同利用研究建物に対し、有効な改修対策を探します。都市建築のライフサイクルに渡り、数回災害発生してもそれから安心して社会活動を継続させることが要求されています。建物が震災や火災を経験しても、その後でも使え続けられ、できるだけライフサイクルコストを低減させる構造システムを開発します。• 「デッキ合成スラブの遮熱性に関する実験的研究」東京理科大学火災安全科学研究拠点共同利用・共同研究(重点研究課題G)• 「長周期地震動に対する鉄骨梁の損傷評価において考慮すべき振幅の解明」鋼構造研究・教育助成事業• 「火災を経験した建築構造用鋼材の変形能力とそれに基づく骨組の耐震性能の評価」学術振興会、科学研究費、基盤研究C技術の特徴鋼材・部材及び骨組の3つのレベルで鋼構造骨組の耐震・耐火性能評価を行い、改修対策も考えながら、より多くの建物を安全かつ継続使用できるようにするための研究に取り込んでいます。技術の用途• 大地震を受ける鋼構造部材の破壊を防止し、建物の倒壊を防止します• 震災前補強・震災後補修します• 災害直後でも継続使用できる鋼構造建物を作ります企業等との連携可能テーマ• 破断に強い鋼部材接合部の開発・鋼構造建物の耐震改修• 制震ダンパーの開発及び性能評価• 免震構造用ダンパーの開発及び性能評価• 震災を経験した鋼構造建物の耐火性能評価• 建築鋼構造DX• 鋼構造分野でのCO₂排出量削減対策知的財産権・関連論文情報・著書スカラップ底からの延性破壊によって決まる鉄骨梁の塑性変形能力評価法、AIJ構造系論文集;免震層の罫書き記録に基づく免震構造用U型鋼材ダンパーの損傷評価法、AIJ技術報告集;鋼製スリットダンパーの形状の違いが疲労特性に及ぼす影響、構造工学論文集特許:鉄骨ブレースの補強方法

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