TCU Research Directory 2023
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丸マルヤマ山 收オサム点検データ(●)と劣化予測(実線)TCU Research Directory 2023 171トンネル構造物の劣化診断および劣化予測手法の開発信頼性設計 / リスクマネジメント / 構造物の維持管理 / アセットマネジメント研究テーマキーワード教授建築都市デザイン学部 都市工学科構造安全研究室研究者情報最近の研究テーマ社会基盤施設の維持管理は最重要課題です。維持管理に関して基本的な考え方は、予防保全型の維持管理がライフサイクルコストの削減につながることから適切であるとされています。予算制約下において予防保全型の維持管理を行うためには、現状の状態を把握して、適切に近未来の劣化状態を捉えることが重要です。蓄積された点検データから、確率微分方程式により、劣化状態を予測するための理論的な研究を行っています(下図)。研究内容と目指すもの社会基盤施設の設計施工または維持管理を行う際に、地震、風などの作用荷重と土構造物、橋梁、トンネルなどの構造自体に多くの不確定要因を考慮する必要があります。これらの不確定要因に対して確率統計理論を適用して、各種の応用研究を行っています。具体的なテーマとしては、信頼性設計理論、外部資金• 人工知能技術を援用した道路ネットワーク構造物群の維持管理技術の開発 科学研究費基盤研究(C), 研究期間 2018年度~2020年度(代表)• 上水道システムの地震リスク評価 科学研究費基盤研究(C), 研究期間 2013年度~2016年度(代表)建設・施工過程における問題解決のための数理工学的手法およびリスク管理手法の開発などです。最近は、構造物の経年劣化に伴う、劣化予測、補修・補強のための最適な投資戦略に関する研究テーマに取り組んでいます。• 線状施設の地震時システムリスク解析とGISパノラマ鳥瞰図法の開発 科学研究費基盤研究(C), 研究期間 2011年度~2013年度(分担)• 性能設計における耐震性能照査のためのシステム破壊確率算定手法の開発 基盤研究(C), 研究期間 2002年度~2004年度(代表)技術の特徴不確定性を有する構造物点検データのモデル化を複合ポアソン過程入力とする確率微分方程式により行っています。従来型の予測手法と異なり、推定結果の上下振動を抑え、劣化状態の進行をスムーズに表現できるようになっています。技術の用途近年蓄積がなされている多くの点検データの有効利用が可能となります。この予測手法をもとに将来の補修補強に関する投資分析が可能となります。企業等との連携可能テーマ• 確率論手法による地震・豪雨等による構造物のリスク照査• 点検データに基づく構造物のアセットマネジメント• 確率論および機械学習理論による逆解析問題、最適化等に関する研究課題知的財産権・関連論文情報・著書• Osamu Maruyama, Atsushi Sutoh, Hiroaki T. Kanekiyo, Takashi Satoh and Hiroshige Dan: Stochastic Interpolation of Damage States in Tunnel Lining Concrete, 12th Int. Conf. on Structural Safety and Reliability (ICOSSAR2017), CD-ROM,(2017)• 鈴木 健吾,丸山 收,関屋 英彦,小西 拓洋,三木 千壽: 制御理論を用いた Weigh-In-Motionに関する基礎的検討, 土木学会論文集 A2(応用力学), Vol.72, No.2, 45-51,(2017)

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