TCU Research Directory 2023
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野ヤシロ城 智トモナリ也特任教授右図のような枠組みで、建築の状況(コンテクスト)が明確化されることで、例えば、IoTを用いた建築の運用の最適化や、修繕・保全・改修の最適化が推進できます。IoT-HubsystemasanenablerofinteroperablecontrolsystemoverdifferentlystandardizeddevicesPossiblecarbontradingbyintroductionofIoTTCU Research Directory 2023 185建築・都市の持続可能性向上のためのDXSustainability / Built Environment / Innovation / Digital Transformation研究テーマキーワード総合研究所Innovative sustainable built environment 研究室研究者情報最近の研究テーマ建築・都市が「どのような要素で成り立っていて、どのように働いているのか」情報・データを集め分析し、その時点でのニーズに適合するように再設計し、改修などの手を打っていく必要があります。人工物の特性をデータ・情報として収集した上で、それをもとに設計情報を生成し、人工物に反映させていくための学理づくりに取り組んでいます。下図の運用特性情報、設計情報は、サイバー空間内に写し取った建築・都市のモデルです。サイバー空間と実空間の間を行き来する「転写」技術を充実させていくことで、デジタル・ツイン化による建築・都市の持続可能性向上のためのDXが推進されていきます。研究内容と目指すものこの研究は、建築・都市の持続可能性を高めていくことに貢献することを目指しています。例えば、建築各所にセンサーを配置し収集したデータを解析し、空調機器、照明、開口部、換気システムを総合的に最適制御していくシステムを開発し、その改良・普及に取り組んできました。こうしたシステムが成立するためには、異なる技術仕様の機器類をひとつのアプリケーションで包括的に制御できるinteroperabilityが不可欠です。そこで、IoT-Hubという仕組みを考案し、産業界のコラボレータとともに、その開発・普及に取り組んでいます。このような技術の進展とともに、エネルギーの使用量・地球温暖化ガス排出量を、現実的な費用で、計測・報告・検証できるようになっていることを踏まえ、どのようにすれば、建築分野にカーボントレーディングが導入できるのかについても研究しています。加えて、BIMを活用してEmbodiedCarbonが概算できるようにするためBIMとEPDの連携についても考察しています。外部資金• 科学研究費基盤(B) サイバー空間との持続可能な連携のための建築空間情報の記述方法に関する研究  など技術の特徴CAD、BIM、三次元スキャナなどの空間データを連携して用いることで「建築がどのような要素で成り立っているか」を、センサーを用いて「どのように働いているか」を明らかにすることで、ライフサイクルマネジメントを包括的に支援する技術です。技術の用途• エネルギー・マネジメントを含む建築の運用最適化• ムリムダの削減による保全・改修工事の支援• 建築の長寿命化のための戦略策定支援  など企業等との連携可能テーマ• ファシリティ・マネジメントにおけるDX• 建築・都市関連情報・データのライフサイクル、マネジメント• IoTを活用したカーボントレーディング知的財産権・関連論文情報・著書• 野城智也、佐藤隆良、村井一・安孫子義彦・実例に学ぶファシリティ マネジメント(民間・大学編) 市ヶ谷出版,2023• 野城智也、北島 隆次 、梓総合研究所建築都市分野におけるカーボン・トレーディング持続可能な社会と環境との共生のために、インプレスR&D、2022• 野城智也、馬場、博幸生活用IoTがわかる本暮らしのモノをインターネットでつなぐイノベーションとその課題インプレスR&D、2017

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