TCU Research Directory 2023
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林ハヤシ 正マサヒロ博准教授TCU Research Directory 2023 195完全準同型暗号の研究通信ネットワーク / 信頼性 / 安心・安全 / セキュリティ研究テーマキーワード理工学部 電気電子通信工学科通信信頼性研究室研究者情報最近の研究テーマ暗号化したまま計算を行い、計算過程が公開されても、計算結果を知られないようにする研究が現在盛んにおこなわれています。これを完全準同型暗号と呼びます。このような暗号の新方式を考案し、従来法との効率の比較を行っています。従来法では、テンソルなどの難しい数理的方法を用いていましたが、提案法はより簡単に実現できます。この方法によって、クラウド上の潤沢なリソースを用いて効率的な計算を、安心と安全を保ちながら実行できます。研究内容と目指すもの安心・安全な通信ネットワークを実現するための研究を行っています。現在、通信ネットワークは、我々の生活に欠かせない存在となっており、故障発生やウィルスの蔓延により通信ネットワークの機能が停止すると、多大なダメージを受けることになります。このようなダメージを回避するための方法を確立外部資金• NEC C&C 財団研究発表支援「国際会議RAMS発表」(H29)• 基盤研究(C)「通信障害の連鎖的拡大発生時の被災規模評価法と対策」(H25-28)します。具体的には二つの方面から研究を行っています。一つは、故障が発生しても予備ルートに切り替えることで通信機能の継続を図る研究です。もう一つはセキュリティの観点から、暗号その他の手段により、情報漏えいを回避したり、悪意あるハッカーの侵入を回避する研究です。• 大川情報通信基金研究助成「通信ネットワークの高信頼性設計法」(H23)技術の特徴通信ネットワークにおける故障の壊れにくさや故障の発生頻度の算出を効率的に行います。途中で、大量の微分・積分を実行する効率的な方法を利用する。さらに準同型暗号のような、暗号化したまま計算その他の作業をすることができます。技術の用途通信ネットワークの信頼性設計を来なうことができます。通信ネットワークにおいて、いずれの部分が、全体への影響が大きいかを明らかにし、効率的な対策を実施できます。また、準同型暗号などを用いることで、通信ネットワークの公開されたリソースを活用することができ、同時に安全性を確保できます。企業等との連携可能テーマ• 信頼性分析に関わる各種方法についてや実際の通信ネットワークの信頼性分析についての相談• 微分や積分を大量に実行する必要がある場合への効率的な方法についての相談• 暗号に関する各種相談知的財産権・関連論文情報・著書• 特許第4558768号「通信網信頼性近似計算方法及び装置」• 特許第4205566号「故障頻度計算方法、通信網故障頻度計算装置、通信網故障頻度計算」• 林 正博 他、コロナ社、通信ネットワークの信頼性、2010、177頁• 岡野好伸、宇谷明秀、林正博、無線と通信ネットワークの基礎、2015、151頁

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