TCU Research Directory 2023
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相アイハラ原 研ケンスケ輔准教授198 TCU Research Directory 2023大規模な線形方程式に対する高速かつ高精度な数値計算アルゴリズムの開発大規模連立一次方程式 / 反復ソルバー / 丸め誤差解析 / リーマニアン最適化研究テーマキーワード情報工学部 情報科学科応用数理研究室研究室HP研究者情報 研究代表者,2021年度~2023年度.• 科学研究費補助金 基盤研究(B) 20H04195, 「疎行列を係数とする線形方程式の反復解法と精度保証付き数値計算法の融合」, 研究分担者,2020年度~2022年度.最近の研究テーマ様々な科学技術計算で現れる行列に関する諸問題を、コンピュータにより高速かつ高精度に解くための数値計算アルゴリズムの研究を行っています。特に、自然現象や物理現象の数値シミュレーションで頻出する大規模な連立一次方程式や悪条件な最小二乗問題に対する反復ソルバーについて、収束性の改善や計算コストの削減、近似解精度の向上などを達成する新しい効果的な手法の確立を目指し、理論と実験の両面からアプローチしています。また、これらの行列計算を基盤として、データ解析などにも応用されるリーマン多様体上の最適化アルゴリズムの開発・改良にも取り組んでいます。研究内容と目指すもの大規模な線形方程式に対する効果的な反復ソルバーの開発は、計算科学における重要な研究課題の一つです。本研究では、20世紀のトップ10アルゴリズムの一つであるクリロフ部分空間法(線形部分空間を広げながら解を探索する反復ソル外部資金• 科学研究費補助金 基盤研究(C) 21K11925, 「大規模行列方程式に対するクリロフ部分空間法の躍進とリーマニアン最適化への応用」,バー群)に着目し、数理的・実験的なアプローチから、既存の方法に取って代わるような革新的なアルゴリズムの提供を目指して研究を進めています。• 科学研究費補助金 若手研究 18K18064, 「線形反復ソルバーに対する平滑化技術の革新と最適化アルゴリズムへの応用」, 研究代表者,2018年度~2021年度.• 科学研究費補助金 若手研究 (B) 15K17498, 「線形方程式系に対する新型反復ソルバーの数理的解析と新展開」, 研究代表者,2015年度~2017年度.研究の特徴コンピュータによる数値計算では、浮動小数点演算を行うことにより微小な誤差(丸め誤差)が混入しますが、誤差が塵積もると計算結果に大きな影響を及ぼします。そこで、入念な誤差解析を行い、その影響を十分に抑制できる信頼性の高い数値計算アルゴリズムの開発を目指しています。技術の用途本研究の応用先は、流体力学、構造解析、電磁気学、熱問題、情報検索など、あらゆる科学技術計算で現れる行列に関する諸問題が対象になります。企業等との連携可能テーマ• 数値シミュレーションで用いられる線形ソルバーの開発やその性能評価• 行列計算に関わる各種ソフトウェアの構築(内部アルゴリズムの提供)知的財産権・関連論文情報・著書• K. Aihara et al., Cross-interactive residual smoothing for global and block Lanczos-type solvers for linear systems with multiple right-hand sides, SIAM J. Matrix Anal. Appl., 43 (2022), 1308--1330.• K. Aihara, GPBi-CGstab(L): A Lanczos-type product method unifying Bi-CGstab(L) and GPBi-CG, Numer. Linear Algebra Appl., 27 (2020), e2298.

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