TCU Research Directory 2023
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向ムカイ井 信ノブヒコ彦教授泡の崩壊シミュレーション(ビデオ)いけばなシミュレータ(ビデオ)208 TCU Research Directory 2023画像の解析と物理現象の可視化画像処理 / 画像認識 / コンピュータグラフィックス(CG) / 仮想現実感(VR)研究テーマキーワード情報工学部 情報科学科画像工学研究室研究室HP研究者情報最近の研究テーマ心臓の中にある左心室から大動脈までの血流と血流に伴う大動脈弁の開閉動作を物理シミュレーションし、CG技術を用いて可視化しています。シミュレーションモデルは実患者のX線CT画像を基に作成し、血流のシミュレーションは対象となる物質を全て粒子の集まりとして流体や弾性体の方程式を解くことで挙動を解析しています。左心室の入口である僧帽弁を介して左心室に血液が流れ込み、左心室の収縮による圧力上昇に伴って大動脈弁が開くことで、血液が左心室から大動脈へと流れます。また、この間における左心室と大動脈の圧力変化を調べ、圧力の変化が実心臓の圧力変化データと一致するのかを確認することで手法の妥当性を検証しています。なお、本研究は病院の協力を得ながら、10年以上に渡る科研費の助成を受けています。研究内容と目指すもの画像処理/画像認識とCG(Computer Graphics)を2本柱とした画像工学全般に渡る研究を行っています。また、仮想現実感(Virtual Reality)や複合現実感(Augmented Reality)など画像とCGとの融合に関する研究、さらには、医療/福祉分野への応用も展開することで、情報分野だけでなく幅広い分野への実用的な研究を目指しています。なお、研究には本学独自で行う先端的な研究だけでなく、企業から受託している実践的な課題研究もあります。また、病院や他大学などと共同して行う研究もあり、一つの研究室では成し得ない高度な課題にも複数の研究室で協力し合うことにより、将来の発展に向けた課題解決の糸口を探っています。外部資金• 令和3~令和5年度科研費,弁の連動動作と左心室の等容性収縮及び弛緩を考慮した血流の可視化と圧力変化の検証• 平成30~令和2年度科研費,粒子シミュレーションによる左心室から大動脈への血流の可視化と圧力変化の検証• 平成27~29年度科研費,心拍と軸流を考慮した大動脈内の血流と大動脈弁開閉動作の解析に関する研究• 平成24~26年度科研費,大動脈弁にかかる応力分布の可視化に関する研究• 平成21~23年度科研費,手術シミュレータ向け血管内圧力を考慮した血管の変形方式• 寺岡精工,dSPACE,三菱電機, 瀧口製作所等からの受託研究技術の特徴画像処理/画像認識とCG(Computer Graphics)を2本柱とした画像工学全般の研究を行っています。また、仮想現実感(Virtual Reality)や拡張現実感(Augmented Reality)など画像とCGとの融合に関する研究、さらには、医療/福祉分野への応用も展開することで実用的な研究を目指しています。技術の用途• 画像処理と画像認識:人間や動物の認証、人物同定や行動追跡など• 物理シミュレーションと可視化:ゲームや映画の映像制作など• 医療や福祉への応用:手術計画や術前シミュレーション、患者への説明とリハビリテーション、手話の自動翻訳など企業等との連携可能テーマ• 画像認識の研究:深層学習を用いた手話の認識。カメラ映像を基にした人物の追跡と計測。ドライブレコーダを基にした自動車走行速度の自動推定• CGの研究:粘弾性流体、泡、滝などの流体シミュレーション。いけばなシミュレータ• 医学応用の研究:心臓の血流可視化と圧力変化のシミュレーション。脳動脈瘤や腹部大動脈瘤内の血流解析と可視化。深層学習を用いた鼻中隔湾曲症の診断支援• 歯学応用の研究:超音波画像を基にした3次元舌モデルの構築知的財産権・関連論文情報・著書• N. Mukai et al., Pressure Change Simulation along Blood Flow in the Left Ventricle and the Aorta, ITE Trans. on MTA, 11(3), pp.102-112 (2023)• N. Mukai et al., Tongue model construction based on ultrasound images with image processing and deep learning method, Journal of Medical Ultrasonics, 49(2), pp.153-161 (2022)

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