TCU Research Directory 2023
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江エバ場 宏ヒロミ美教授TCU Research Directory 2023 241共焦点型X線回折装置による結晶相の3次元分布解析X線分析 / 無機結晶化学 / 機能性無機化合物 / 物質変換研究テーマキーワード理工学部 応用化学科動的解析化学研究室研究室HP研究者情報最近の研究テーマ材料内部に含まれる結晶相を分析し、それらの3次元的な空間分布を観察できる、共焦点型X線回折装置の開発を進めています。この装置では限定された共焦点空間からの回折線を検出することで、微小領域の結晶構造の分析ができ、試料を破壊せずに内部の特定の位置に含まれる物質の種類を確認できます。また内部構造の疎密や不均一性、結晶子の配向性の検出などにも応用でき、材料内部の3次元的な構造の確認が可能となります。したがって、複数の物質が複合した材料の分析・評価や、立体構造の解析・制御への利用が期待できます。研究内容と目指すもの資源の有効活用と環境保全の観点から物質とエネルギーのリサイクルを意識しつつ、スラグや二酸化炭素など廃棄物・環境汚染物質の活用を考え、それらを原料としたクリーンエネルギー水素の製造や無機材料の合成・開発を進めています。これらの原料と生成物の分析・評価や化学反応の追跡と反応外部資金• 科学研究費補助金 基盤研究(C)、R3~5年度、研究代表者• (公財)ソルト・サイエンス研究財団研究助成、R3~5年度、研究代表者• (公財)JKA「2021年度補助事業」、R3年度、研究代表者• (公財)精密測定技術振興財団研究助成、R3年度、研究代表者 機構の解明のため、各種の無機分析法を酷使した解析を行っており、特に物質や材料を構成する元素の種類とその化学状態、原子配列の分析を可能とする新しいX線分析手法・装置の開発も進めています。• (公財)高橋産業経済研究財団研究助成、H30年度、研究代表者• (公財)精密測定技術振興財団研究助成、H29年度、研究代表者• (公財)日本板硝子材料工学助成会研究助成、H28年度、研究代表者ほか技術の特徴世の中の多くの材料は複数の物質から構成されていますが、従来のX線回折装置は単一の物質を分析する前提であり、材料内部の個々の物質の種類や分布などを調べることはできませんでした。共焦点型装置により内部の構造を観察することで、材料本来の姿を知ることができます。技術の用途共焦点型X線回折装置は、実用材料やデバイスなどの内部で、構成物質が空間的にどのように分布しているのかを分析して性能評価に役立てたり、また環境や条件による物質の変化や移動を確認することで、現象の解明に役立てたりすることができます。企業等との連携可能テーマ• X線分析法による無機材料の結晶相の同定・元素分析、多成分混合系試料における結晶相の定量分析や3次元分布解析• 二酸化炭素、水素など無機ガスの分析と、これらの生成ないしは吸収能をもつ材料の開発や反応機構の解明• 各種セラミックス、固溶体材料、イオン交換性材料などの合成・ケミカルリサイクルによる調製知的財産権・関連論文情報・著書• 知的財産権取得状況(計10件): 特許第4660748号「蛍光X線分析方法および蛍光X線分析装置」  ほか• 関連論文情報: Hiromi Eba, et al., Chem. Lett., Vol.47, 2018, pp.1545-1548. Doi : 10.1246/cl.180796. Hiromi Eba, et al., Nuclear Inst. and Methods in Physics Research B 456 (2019) pp.42–48. Doi: 10.1016/j.nimb.2019.07.004  ほか

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