TCU Research Directory 2023
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伊イトウ藤 通ミチコ子特任教授266 TCU Research Directory 2023持続可能な社会構築を志向するイノベーション人材育成のためのPBLデザインPBL(Problem/Project-based Learning) / 技術者教育 / 安全教育 / 持続可能な開発のための教育(ESD)研究テーマキーワード教育開発機構FD推進センター研究室HP研究者情報最近の研究テーマ日本のPBLは、本質主義的能力観に基づく知識獲得や専門職業人育成に向けた成果重視のProject型が中心です。しかしながら、教育も持続可能な社会構築を志向したものに転換すべき時代を迎え、社会変革(イノベーション)につながる学びとして、問題抽出を重視するProblem型を進める必要があります。学校、企業、地域での「現実の問題」に「マルチステークホルダーによる協働」で取り組む学習設計が研究テーマです。公教育のPBL教育の成果を測るため、教育を受けてから10-15年後に専門人材としてどのような特性が表れているか卒業生調査を実施し、環境的・社会的・技術的課題を総合的に扱う継続的で一貫性のあるPBL教育プログラムに高い教育効果があるという結果を得、PBLカリキュラムデザインに活かしています。研究内容と目指すもの持続可能な社会構築を担うイノベーション人材の育成を目的としたESD(Education for Sustainable Development)をPBL(Problem Based Learning)で実施する学習デザインに関するアクションリサーチ的実践研究。PBLは還元主義的に発展した近代科学に伴う教育の限界に対して生まれた構成主義の学び方として知られています。外部資金• 基盤研究(B)「コンピテンシーの形成・評価の検討―統合性・分野固有性・エージェンシーに着目して―」(2022-26)• 基盤研究(C)「継続的で一貫性のあるPBLカリキュラムの、卒業後の学習特性への影響に関する研究」(2020-22)• 基盤研究(B)「科学技術教育による社会実装力育成と卒業後のキャリア分析及びその教育モデルの構築」(2020-23)• 基盤研究(B)「学修成果アセスメント・ツールの活用を通した学習システム・パラダイムへの転換」(2018-22)• 基盤研究(B)「社会実装能力涵養のためのコンテスト教育有効性の分析解明とその効果向上研究」(2017-19)本研究では、SDGs等で示される現代的社会課題の解決に教育面からアプローチするための有効な学習法と位置づけ、認知は個人の頭の内部に閉じたものではなく常に社会的状況にひらかれ、個々の状況により多様であるとする状況論(活動理論、状況的学習論、状況的認知論、社会文化的アプローチ等を総称する)を基盤に、開発教育論やイノベーション教育論を踏まえた実践的な教育プログラム開発を目指しています。• 基盤研究(C)「技術の社会実装教育・研究において学生の創造性や主体性を伸ばす安全実践教育の提案」(2015-17)• 基盤研究(C)「認知主義・状況主義学習理論からアプローチするKOSEN型実技教育(PBL)の再評価と標準化」(2011-13)• 基盤研究(C)「ESD推進に向けた地域の拠点の活用とESDの学力向上への効果の評価」 (2009-11)• 奨励研究「科学技術史からテーマを設定した工学的アプローチによる『エコサイエンス実験』の開発」(2006)• 奨励研究「『安心・安全』型社会を創出する能力を育成するための工学系実験教育プログラムの開発」(2005)研究の特徴持続可能な社会を志向するPBL(Project-organized Problem Based Learning)デザインの研究、卒業後の仕事や学習特性との関係研究の内容PBL、技術者教育、安全教育、持続可能な開発のための教育(ESD)、SDGs企業等との連携可能テーマ• SDGsやPBLの研修デザインに関すること• PBLカリキュラムのデザインに関すること• 主体性や創造性を育む安全教育に関すること• 国民幸福度世界一でグリーンイノベーションの国、デンマークのPBLに関すること知的財産権・関連論文情報・著書• 論文「理工系総合大学での統合的科目"SD PBL"におけるPEPA 」(2022)• 論文「高専の工学教育におけるPBL教育プログラムの有効性」(2022)• 論文「イノベーション人材育成のための社会連携型教育における高次の学習法」(2015)• 著書「PBL学びの可能性をひらく授業づくり」北大路書房≪過去10年間の主なもの≫

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