TCU Research Directory 2023
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寺テラザワ澤 由ユキコ紀子准教授TCU Research Directory 2023 267文学および文化的産物における記憶表象の考察記憶 / ナラティブ / アイデンティティ / 戦争研究テーマキーワードデザイン・データ科学部 デザイン・データ科学科文学・文化研究室最近の研究テーマ外部資金• 科学研究費助成事業基盤研究C 「アメリカにおける「慰安婦」の記憶表象-小説とモニュメントの考察」(2017-2022)研究者情報「慰安婦」問題を扱った小説と全米各地に設立された慰安婦像を取り上げ、韓国人「慰安婦」の記憶をアメリカで再現する試みを考察しています。「現場」ではない場所で、同じ民族ではありながら直接その記憶を体験していない者たちを中心に想起が行われていること、植民支配の中での出来事が、帝国主義の歴史を持つ別の国で再現されていることに着目し、記憶を再構築するプロセスとそこで起こる記憶の操作、構築された記憶が個人・社会に与える影響などを探っています。研究の特徴記憶とは、個人および集合体の自己形成・自己認識のために必要不可欠なものです。個人やコミュニティ、国家がどのように自己を形成し、どのようにそれを維持しているかを探求するために、文学や文化的産物を利用し、その中に反映された記憶の(再)構築、抑圧、操作の過程を考察しています。研究の内容主にアメリカ文学(特にアジア系アメリカ文学)に焦点を充てていますが、メモリアル、映画、音楽なども取り上げ、トラウマ研究、フェミニスト精神分析学、ナラティブ理論、ジェンダー研究、文化研究といった枠組みを利用して、記憶表象についての研究を行っています。企業等との連携可能テーマ異文化理解、差別・不平等の実態理解と解消に向けた取り組み知的財産権・関連論文情報・著書[論文]• 寺澤由紀子 「クリティカルな露出―Tropic of Orange における日系アメリカ人の記憶の再考」『文芸研究』第125 号(2015) pp.69-89. • 寺澤由紀子 「チカーナボディと境界のポリティクス―Karen Tei Yamashita のTropic of Orange」 アメリカ文学第68 号(2007) pp.41-49.• Terazawa, Yukiko. "'Shifting the Pattern of History': Narration and Counter-Memory in Karen Tei Yamashita's Brazil-Maru." Feminist Studies in English Literature Vol.13, No.2 (2005)pp.129-153.[著書]• 『憑依する過去―アジア系アメリカ文学におけるトラウマ・記憶・再生』共著(小林富久子、寺澤由紀子以下省略) 金星堂(2014) pp.i-xix, 1-368 (pp.316-332)

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