TCU Research Directory 2023
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髙タカハシ橋 国クニノリ法教授272 TCU Research Directory 2023学生の心理的成長の可視化学生相談 / 臨床心理学研究テーマキーワード共通教育部 人文・社会科学系心理学教室研究者情報最近の研究テーマ高等教育機関における学生相談室の設置率は9割を超え、相談件数は増加しています。相談内容は修学上の問題から精神障害、発達障害、性的少数者が抱える問題など多岐にわたり、学生相談機関カウンセラーが心理支援を行っています。アメリカでは学生の心理状態や心理面接の効果を測るためOQ-45やCAS、CCAPSなどを開発し使用していますが、日本ではそのようなアセスメントツールの使用はまだ一般的ではありません。日本の学生相談機関ではカウンセラーが学生の悩みを扱う際、悩みが解決してもしなくても、面接過程での、その人らしい心理的成長に注目します。しかし心理的成長の内容を包括的に明らかにしているツールはないため、心理的成長の内容を明らかにし、測定可能なツールの開発が待たれています。研究内容と目指すもの高等教育機関設置の学生相談室で実施される、学生を対象にした心理面接の成果を明らかにするため、アセスメントツールを開発します。そのアセスメントツールでは、学生の状態の変化や適応の変化、心理的側面の変化を測定します。アセスメントツールは、学生用とカウンセラー用の二種類の自己記入式質問紙の開発を行います。本研究では、上記アセスメントツールの開発を目指します。外部資金• 科学研究費助成事業 基盤研究C 20K03472研究の特徴臨床心理学とは人の心の働きや心の発達、心理的な問題を扱う学問で、悩みや精神疾患の発症メカニズムの解明に努め、有効な援助方法を研究・開発、実践する学問です。本研究では、心理面接の成果として心理的側面の変化の内容を明らかにすることが特徴です。研究の内容心理面接の効果を測定するツールを開発することで、これまで心理的成長と呼んでいた、心理的側面の変化を項目別に可視化することが可能になり、ユーザーにとっては自分の成長を明確に把握することが可能になり、学生相談機関にとっては学生の成長を確認できるようになります。企業等との連携可能テーマ• 学生相談室の設置・運営に関して• 退学の危機にある学生の支援について• 不適応学生の支援について知的財産権・関連論文情報・著書• 馬渕麻由子・江上奈美子・毛利眞紀・今江秀和・藤岡大輔・髙橋国法.2023 学生相談カウンセラーのとらえる心理面接の効果と心理的成長.学生相談研究, 44(1), 32-42.

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