TCU Research Directory 2023
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岩イワタ田 遵ジュンコ子教授幼児の共同性を高めるための音楽活動の意義音楽教育学 / 子ども文化論 / 保育学 / 教育方法学研究テーマキーワード人間科学部 人間科学科音楽教育・子ども文化論研究者情報② クラスの一斉的活動(子どもの自発的な遊びを推進する立場からは否定的に捉えられる傾向にある)と自由遊び活動とを身体の「ノリ」(リズム)の共有という視点から連続的に捉え、前者(一斉的活動)の「ノリ」の共有度がわらべうた遊び等の音楽的活動によって高められることと後者(自由遊び)における子ども集団の安定性との関連についてのアクションリサーチ。298 TCU Research Directory 2023最近の研究テーマ① 複数の幼児たちに責任を持つ保育者が、クラス全員の幼児の遊びの状況をどのように見取り、どのように関与しているか。それはベテラン保育者と新人保育者でどのように違うか。その実践知を新人保育者が獲得していく過程を明らかにします。 研究内容と目指すもの保育者が一人で多くの幼児を相手しなければならないことから様々な問題が生じている現代において、どのようにすれば、複数の幼児一人ひとりに適切な援助を行うことが可能となるかという方略とベテラン保育者の獲得している実践知を実証外部資金• 日本学術振興会科学研究補助費基盤研究C「『遊び保育』実践における保育者の視線行動と幼児の遊び状況の関連性」(2023年~2025年)• 同「全ての個の育ちを保障するための教師の遊び指導力向上プログラムの開発」(2019年~2021年)• 同「遊びの援助者(教師)に求められる<身体知>獲得に関する研究」(2016年~2018年)的に追求し、保育の質の向上のための援助方法を提案しています。また、その方法の一つでもある音楽活動の意義、音楽文化財の構造を解明し、文化財の実践的展開の望ましい方法をフィールド調査とアクションリサーチによって追求しています。• 同「伝承遊びの伝承性の復権に関する理論的・実証的研究」(2013年~2015年)• 同「子どもの居場所となる学級集団形成過程の演劇論的研究」(2010年~2012年)研究の特徴保育実践において、ベテラン保育者が幼児たちによって展開される複数の遊びを見取りつつ、それらに同時並行的に援助できることを「実践知」と捉え、それをアイトラッキングカメラ等によって実証的に明らかにしています。研究の内容施設保育において集団を相手にしている保育者は、どのようにしてクラスの全ての幼児一人一人を理解し援助しているかを明らかにするとともに、その方法として提唱された「遊び保育論」の有効性を実証的に明らかにしています。また、幼児の共同性を高めるために音楽活動(手遊びやわらべうた遊び)が有効であることの実証研究をしています。企業等との連携可能テーマ• 「遊び保育」実践のための保育者の具体的な援助(環境構成、遊びの読み取りと診断、遊びへの関与)についてのアクションリサーチ• 保育実践におけるわらべうた(遊び)の実際と導入する際の具体的な援助方法についてのアクションリサーチ• 保育実践における自由遊びと一斉活動の連続性についてのアクションリサーチ知的財産権・関連論文情報・著書• 小川博久・岩田遵子他(2023)『めばえ幼稚園の保育実践』ななみ書房• 小川博久・岩田遵子 (2009)『子どもの「居場所」を求めて─子ども集団の連帯性と規範形成─』ななみ書房• 岩田遵子(2005) 現代社会における『「子ども文化」成立の可能性─ノリを媒介とするコミュニケーションを通して』風間書房

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