TCU Research Directory 2023
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河カワイ合 孝タカズミ純教授グラフェンの引き裂きによるエッジ形成シミュレーションTCU Research Directory 2023 309原子スケール材料データサイエンス材料物性 / 分子動力学シミュレーション / 第一原理電子状態計算 / データ分析研究テーマキーワードデザイン・データ科学部 デザイン・データ科学科数理・データサイエンス教育センター研究者情報最近の研究テーマ● 原子層材料の表面反応や材料設計原子スケールのミクロな構造や反応がマクロな材料をつくり、性質を決めています。特に次世代の半導体デバイスや蓄電池への応用が期待されている炭素系ナノ材料の研究をしています。原子スケールのシミュレーションと統計的な解析を駆使して、様々な特性を示すメカニズムを明らかにし、性能の向上を目指しています。特に、原子のダイナミックなプロセスに興味を持ち、形成と反応のメカニズムを解明しています。● 時系列データの統合的分析技術の社会インフラへの適用様々なセンサから得られる時系列データを分析し、システムの異常やその兆候を検知する実用的な技術の開発にも取り組んでいます。構造物の劣化や異常を早期に検知、診断します。研究内容と目指すもの半導体材料を中心に新たな電子物性や物理特性を持つ材料をシミュレーションによって開発し、実験グループとともにその材料の形成技術を確立したり、特性を明らかにすることを目指しています。また、マテリアルズインフォマティクスによってより高い特性を示す新たな材料の開発も進めています。また、データの分析技術を用いた異常発生の予兆検知や要因の分析についても研究を行っており、保守・管理を担う技 術者の経験や技量に寄らない、高度で均質な状態判定を実現する技術の開発を目指しています。外部資金• 科研費 基盤研究(C)課題ID:14463400「リチウムのグラファイトインターカレーションにおける固液界面反応の物理」 (2014-2016)研究の特徴材料物性や反応過程を原子スケールのコンピュータシミュレーションで計算し、明らかにする研究ですが、実験グループと緊密に連携して分析・予測結果を更新・改善しています。これによって実験結果のより深い理解や新しい材料形成の実用的なアイデアを提供しています。研究の内容第一原理電子状態計算や分子動力学シミュレーションを用いて、特に炭素系高機能材料の開発とその物性予測を行っています。炭素は2~4配位をとり、構造によって電子状態や物性が大きく変わり、磁性材料としても興味深い性質を示します。これらの物性を制御することを目指して研究を行っています。企業等との連携可能テーマ炭素系を中心とした新奇高機能材料開発や、原子スケールのシミュレーションに基づく材料特性予測、反応プロセスの予測と可視化による合成技術の改善等について議論・連携できます。知的財産権・関連論文情報・著書• T.Kawai, S.Okada, Y.Miyamoto, and H.Hiura, “Self-redirection of tearing edges in graphene: Tight-binding molecular dynamics simulations”, Phys. Rev. B80, 033401(2009).• T.Kawai, K.Shiota, “First-principles calculations for Li adatom diffusion on a graphene surface through a V6 defect partly terminated by hydrogen atoms”, Japanese Journal of Applied Physics 58, SBBH07 (2019).

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