TCU Research Directory 2023
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津ツムラ村 耕コウジ司准教授314 TCU Research Directory 2023宇宙望遠鏡を用いた赤外線観測天文学宇宙 / 天文 / 太陽系 / スペース観測研究テーマキーワード理工学部 自然科学科天文学研究室研究者情報研究者情報最近の研究テーマ本研究室では、観測天文学の研究を進めています。主な研究対象としているのは「宇宙の明るさ」です。宇宙で光を放っているのは、星や銀河など形のはっきりとした天体だけではありません。一見何も天体がないように見える空も、うっすらと光っているのです。私は、このような宇宙の明るさを赤外線で観測する事を通して、近くの宇宙(太陽系)から遠くの宇宙(銀河系外)までの性質(何がどのような物理過程で赤外線で光っているか等)を研究しています。そのような観測の実現には、宇宙からの天文観測が必要なため、JAXAに提案中の宇宙望遠鏡の開発や、「はやぶさ2」を用いた観測なども進めています。また最近は、「宇宙における生命の起源」にも興味を持っており、生命の起源に関連が深いと考えられている「リン(P)」の観測なども進めています。研究内容と目指すもの赤外線での宇宙の明るさの観測にとって、その何倍も明るい地球大気は大敵です。その為、宇宙空間からの天文観測が必要です。そこで、NASAの観測ロケットプログラムCIBER-2を国際協力の下に進めています。この観測の発展として、惑星間空間からの天文観測観測も推進しており、小惑星探査機「はやぶさ2#」、火星衛星探査機MMXなどを用いた観測も計画中です。このほか、ガンマ線バースト観測衛星計画HiZ-GUNDAM、 外部資金• 超小型衛星による銀河系外背景光観測で切り拓く次世代光赤外スペース天文学、科研費・基盤A、2023-2025超小型衛星計画VERTECSなどの宇宙ミッションにも関わっています。また最近は、宇宙における生命探査や生命の起源についても興味を持っており、地球の水の起源と関連する太陽系外縁部の氷小天体を探査するOASES計画や、生命の起源に関連すると考えられているリン(P)の分布を探る天文観測なども進めています。• 重力波源からのガンマ線バーストを観測する衛星搭載赤外線望遠鏡の開発、科研費・新学術領域研究(研究領域提案型)、2020-2023技術の特徴人工衛星や探査機、観測ロケットなどに搭載する赤外線宇宙望遠鏡の開発を進めていることから、宇宙利用・極低温・赤外線などと関連した技術に特徴があります。技術の用途天文観測によって宇宙からの微弱な信号を捉える技術や、ロケットや人工衛星を用いた天文観測に関する技術は、現代社会で大いに役立っています。企業等との連携可能テーマ宇宙望遠鏡の開発に関わるテーマ。特に光学系開発、検出器および読み出し回路の開発、搭載装置の熱構造開発、データ圧縮に関する開発、など。知的財産権・関連論文情報・著書• 『宇宙はなぜ「暗い」のか?』(ベレ出版、2017)• 『天文学者に素朴な疑問をぶつけたら宇宙科学の最先端までわかったはなし』(大和書房、2018)

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