TCU Research Directory 2023
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西ニシムラ村 太ダイキ樹准教授加速器実験で用いるシンチレータ(蛍光物質)。実験では放射線がシンチレータを通過した際に発生する微弱な光を検出します。316 TCU Research Directory 2023元素は宇宙のいつ・どこで合成されたのか原子核 / 実験 / 放射線計測 / RI研究テーマキーワード理工学部 自然科学科実験原子核物理研究室研究室HP研究者情報最近の研究テーマ宇宙が誕生して以来、不安定原子核の反応を経由して重たい元素が合成されてきました。私たちの体や地球を構成している元素が宇宙のいつ・どこで合成されたのかはまだ完全には解明されていません。そこで、原子核の魔法数と呼ばれる特定の数で極端に原子核が安定になる特徴に注目して、不安定原子核での魔法数の発現や消失の謎を実験によって解明し、宇宙の歴史を解き明かします。そのために理化学研究所などの大型の加速器施設を利用して不安定原子核を含む重イオンビームを生成して実験を行います。また、原子核の研究を進めることで、エネルギーや放射線、医療などに関わる社会的な問題への解決にも着手しています。研究内容と目指すもの自然界の四つの基本的な力の一つである「強い相互作用」は原子核の中で働いていますが、完全には解明されていません。原子核の性質を詳細に調べて「強い相互作用」を完全な理解を目指します。そのために、理化学研究所などの重イオンビーム加速器施設で国内・国外の大学や研究機関と共同実外部資金• 精密測定器技術振興財団助成金「チェレンコフ光を利用した重イオンビームの精密速度測定システムの開発」(2020)• 基盤研究(C)「逆運動学によって完全にタグした超高速中性子ビームの開発 (代表)」(2020-2023)• 若手研究(B)「超許容純フェルミ型ベータ崩壊分岐比の精密測定システム開発(代表)」(2017-2020)• 基盤研究(B)「アイソマー状態の"中性子を含む"核物質半径測定と宇宙における元素合成 (分担)」(2022-2024)験を行います。原子核同士を衝突させることで自然界に存在しない不安定な原子核ビームを生成し、そこから放出されるベータ線やガンマ線を観測することで、不安定原子核の性質を調べます。さらに、将来的にはナノの百万倍小さなフェムトメートルの世界でのテクノロジー開発を目指します。• 基盤研究(A)「Sn同位体の核半径・中性子スキンに関する研究(分担)」(2022-2024)• 基盤研究(A)「タリウム205-裸イオンの束縛状態β崩壊 (分担)」(2018-2021)• 研究活動スタート支援「核子-核子散乱のアイソスピン非対称性を利用した中性子スキン厚の系統的研究(代表)」(2011-2012)研究の特徴理化学研究所などの重イオンビーム加速器施設で国内・国外の大学や研究機関と共同実験を行います。原子核同士を衝突させることで自然界に存在しない不安定原子核ビームを生成し、そこから放出されるベータ線やガンマ線を観測することで、不安定原子核の性質を調べます。研究の内容自然界の四つの基本的な力の一つである「強い相互作用」は原子核の中で働いていますが、完全には解明されていません。原子核の性質を詳細に調べて「強い相互作用」を完全な理解を目指します。企業等との連携可能テーマ• 物理学全般(特に、宇宙・原子核・素粒子)• 加速器や粒子線治療• 放射線計測器やデータ収集システム知的財産権・関連論文情報・著書M. Tanaka, ..., D. Nishimura, et al., “Swelling of doubly magic 48Ca core in Ca isotopes beyond N =28,” Phys, Rev. Lett., 124, 102501 (2020). など審査あり学会等の報文84件、国際会議論文26件

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