TCU Research Directory 2023
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宮ミヤガワ川 哲テツヤ弥准教授最近の研究テーマVR技術を用いた児童相談業務の人材育成についての研究18歳未満の子どもへの児童虐待は30年連続で増え続け、2020年度は過去最多の20万5,029件になりました。一方で全国の児童相談所で、虐待などの対応にあたる児童福祉司のうち、うつ病など精神疾患を理由に休職した職員は年度2.3~2.9%で、民間事業者の平均(0.4%)の5~7倍になっています。このような厳しい就労環境下、児童福祉司、子ども家庭相談員の養成過程における実践力及び専門性の向上という課題を克服する方法を明らかにすることが必要になります。VR技術を用いた児童相談所及び子ども家庭センターの人材養成におけるロールプレイ研修の効果測定並びに実践力の客観的なデータ(エビデンス)を得る事に着目し、その課題を明らかにし社会還元を目指します。仮想空間の中で児童相談支援を行い、心拍変動解析などを実施して、業務中の心拍数や自律神経指標を可視化します。研究内容と目指すものVR技術を用いた児童相談業務のスキル向上、ストレスに関するの目的児童相談に関わる職員の研修において、ロールプレイはよく実施される方法です。先行研究としてVRでは高所恐怖症克服のプログラムなどがあり、そこから着想を得てVRでのメタバースにおけるロールプレイは匿名性もあり、緊張感を持ちながらも、安全安心に研修を受けられるのではないかと考えています。また、同時に心拍変動解析を行う事で、職員のストレスの可視化が可能となり、職員の資質向上、バーンアウト防止に貢献できると考え、研究を行なっております。外部資金• 日本生命財団「VR技術を用いた児童相談業務のスキル向上、ストレスに関する研究」2023TCU Research Directory 2023 63VR技術を用いた児童相談業務のスキル向上、ストレスに関する研究VR / 児童相談所等 / 相談支援 / 虐待防止研究テーマキーワード人間科学部 人間科学科社会福祉・精神保健研究室研究者情報研究の特徴児童福祉学におけるDXの先駆的技法の開発をしています。児童福祉分野における相談援助技術の向上、安心・安全な相談支援シュミレーションの実現と研究に伴うエビデンスの確立を目標としています。企業等との連携可能テーマ児童福祉行政との人材育成に関するプログラムの開発知的財産権・関連論文情報・著書• VR空間における児童相談業務ロールプレイとその効果 東京都市大学人間科学部紀要第14号 pp39~57 2023年3月• 児童自立支援施設における「児童間性暴力」の実態調査及び「児童間性暴力」に関するパンフレット作成について 非行問題 (228) 195-227 2022年3月 • これからの社会的養育に向けた、児童自立支援施設における支援のあり方とは : 役割演技と集団凝集への取り組み : クリスマスコンサートでの実践 宮川 哲弥、鈴木 雅典非行問題 (225) 61-79 2019年3月

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