TCU Research Directory 2023
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佐サトウ藤 剛ゴウ研究室が所有するレーザ測量計(LiDAR)を搭載したドローンを活用し地図づくりを行っています。私たちの研究室は「地図に残す仕事」に取り組んでいます。地形解析に基づく地すべり発生危険度評価(A)高知県東部奈半利川流域を対象とし、(B)水頭面の位置をすべり面として斜面安定解析を実施することで、(C)高速地すべり発生危険斜面を評価しました。76 TCU Research Directory 2023地形学に基づく地すべり防災土砂災害 / ハザードマップ / 斜面変動観測 / ジオアーケオロジー研究テーマキーワード教授環境学部 環境経営システム学科佐藤剛研究室研究室HP研究者情報最近の研究テーマ地形学の研究手法を用いて私たちの生活の舞台である地形がどのように形成され、そして変化してきたのか時空間的に明らかにすることを試みています。特に地すべりによる山地の地形発達の復元をすることを得意としています。地形情報を基に地すべりハザードマップを開発途上国で作成することにも取り組んできました。近年はLiDARを搭載したドローンを用いた地形情報の収集と詳細地形分類図の作成、加速度傾斜計を用いた斜面変動観測、アイトラッキングを用いた地形判読技術の伝承にも挑んでいます。また考古学者と連携し、シルクロードの遺跡(世界遺産アク・ベシム遺跡)の調査を地形学・地質学の視点から行っています。研究内容と目指すもの気象現象の極端化に伴い土砂災害は増加していくと考えられます。わたしたちの研究室では、地形情報をもとに地すべりの発生危険個所を地図に表現することに取り組み、安全・安心な社会の構築に貢献していきます。また、アイトラッキングを活用して、熟練技術者がもつ防災技術を若手に伝えていく人材育成にも積極的に進めていきます。外部資金• 2023-2025科研費基盤研究(B):多職種による在宅生活ニーズ把握の視点と視線:アイトラッキング解析による教材開発,分担• 2021-2025科研費基盤研究(S):シルクロードの国際交易都市スイヤブの成立と変遷-農耕都市空間と遊牧民世界の共存-,分担• 2021-2023科研費基盤研究(B):ばらまき型センサー観測に基づく自然成層斜面内の降雨水浸透と崩壊機構の実証的可視化,分担• 2020-2023科研費基盤研究(C):アイトラッキングを用いた熟練研究者の地形判読プロセスの可視化と地形判読教材開発,代表• 2019-2022 JST e-ASIA JRP:地すべりのモニタリングと予報システムの構築,分担• 2017-2019科研費基盤研究(B)噴火史の視点から火山砕屑物の生成・移動過程を評価した斜面災害リスクマップの開発,分担• 2017-2019科研費基盤研究(C)加速度孔内傾斜計を用いた火山灰被覆斜面の動的観測と崩壊発生機構の解明,代表研究の特徴安心・安全な社会を構築するため、土砂災害の危険性のある斜面を抽出することに取り組みます。その基礎データとなるモニタリング技術の活用も進めていきます。こうした技術は防災のみならず遺跡の保全等にも応用可能です。技術の用途国際協力機構(JICA)の専門家として中米ホンジュラス首都圏の地すべり地形分布図を作成しました。この図は同国政府が防災を進めていくための基図として活用されています。また、土木工学の研究者と協働することでリアルタイムで斜面災害の危険情報を住民に提供するシステム構築にも挑んでいます。企業等との連携可能テーマ• 土砂災害のリスク評価• 地形分類に基づくハザードマップの作成• 遺跡の保護・保全の提案知的財産権・関連論文情報・著書• Sato et al., New approach for the extraction method of landslide-prone slopes using geomorphological analysis: Feasibility study in the Shikoku Mountains, Japan, Journal of Disaster Research, 16, 618-625, 2021• 佐藤剛ほか,2019年8月24日福島県いわき市で発生した落盤を誘因とした斜面変動,日本地すべり学会誌,57,111-115, 2020• 佐藤剛ほか,平成30年7月豪雨によって発生した愛媛県興居島の崩壊分布と土砂移動プロセス,日本地すべり学会誌,56,129-134,2019

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