TCU Research Directory 2023
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髙コウヅ津 淑マサト人教授86 TCU Research Directory 2023ナノ空間材料の利用によるサステナブル社会への貢献グリーントランスフォーメーション / 触媒プロセス / 薬物送達 / メソポーラスシリカ研究テーマキーワード理工学部 応用化学科環境化学工学研究室(触媒・資源化学プロセス)研究室HP技術の特徴結晶構造と多孔質構造の規則性が強いことを特徴とするナノ空間材料は、均質な細孔の大きさを任意に制御できることから、触媒材料、吸着材料などへの用途が期待されています。私たちの研究では、メソポーラスシリカの速やかな細孔内拡散に注目しています。また、ゼオライト、金属有機構造体も扱っています。技術の用途メソポーラスシリカは、人体に対する安全性と吸着した化学物質の徐放性能から薬物送達へ利用可能です。私たちの研究では、ビタミンEの徐放性を調べています。また、金属有機構造体は、官能基の導入による表面の化学的な多機能化によって、多様な化学反応をワンポットで操作できる触媒に利用できることを期待しています。企業等との連携可能テーマ• 植物油からドロップイン燃料を生産する触媒プロセス• 生ごみを再生可能な水素へリサイクルする触媒プロセス• バイオディーゼル燃料や副生グリセリンの性状評価• 油脂廃棄物のリサイクル知的財産権・関連論文情報・著書研究者情報最近の研究テーマカーボンニュートラルへの貢献を目指して、植物類をサステナブルな水素源に利用する新しい触媒プロセスを研究しています。その1つが、植物油と水の化学反応によって石油製品と同じ品質のドロップイン燃料を生成する触媒プロセスです。特に、大型の旅客機や貨物機を運用する航空業界は、カーボンニュートラルの切り札としてドロップイン燃料を注目しています。私たちの研究では、植物油のグリセリン骨格から自生した水素がドロップイン燃料の生成に使われていることを大きな特徴としており、現存の製法のように外部から化石燃料由来の水素を高圧力で供給することはありません。プロセスに適した触媒の開発が最大の課題になっており、ナノ空間材料の応用を検討しています。研究内容と目指すもの人類のサステナブルな発展に向けて、様々な分野にグリーントランスフォーメーションの活動が求められており、2050年のカーボンニュートラル達成が国際的な目標に掲げられています。また、物質資源を浪費することなく、人類自身がこれま外部資金• 国土交通省「道路政策の質の向上に資する技術研究開発」(R4)• 公益財団法人八洲環境技術振興財団「研究開発・調査助成」(H29)• 文部科学省「知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)」(H20-H24)[雑誌論文]①M.Kouzu et al., Single stage upgrading with the help of bifunctional catalysis of Pt supported on solid acid for converting product oil of triglyceride thermal cracking into drop-in fuel, 査読有, Fuel Process. Technol., Vol. 202, 2020, 106364.②高津淑人ほか, Fe3O4を内包するSBA-15の試作と触媒材料への応用, 査読有, 粉体工学会誌, Vol.57, 2020, p.80-87.で以上に健康的な日常を送れるようになることもサステナブルな発展には欠かせません。私たちは、ナノ空間材料の応用を化学工学の観点で研究し、サステナブルな発展に求められる課題に取り組み続けたいと思っています。• 科学技術振興機構「シーズ発掘試験B(発展型)」(H19)• 京都産業21「環境産業等産学公連携研究開発事業」(H18-H19)• 科学技術振興機構「シーズ発掘試験」(H17)

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