TCU Research Directory 2023
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鈴スズキ木 徹トオル90 TCU Research Directory 2023高速炉の炉心損傷事故の事象収束に関する研究原子力安全 / 混相流 / 伝熱流動 / 炉心損傷事故(シビアアクシデント)研究テーマキーワード教授理工学部 原子力安全工学科原子力安全工学研究室研究室HP研究者情報最近の研究テーマ新型炉を含む各種の原子炉を対象として、炉心が損傷するような厳しい事故(シビアアクシデント)が発生した場合に形成される複雑な多成分多相流を評価するため、熱流体工学を基盤とした基礎実験と数値解析を実施しています(下図は、燃料や構造材が溶融した炉心における核的な挙動と熱流動的な挙動を解析するための計算コードの概念図です)。このような評価を通して、たとえ炉心が損傷したとしてもその影響を原子炉容器の中に「閉じ込める」ためにはどのような技術や対策が必要であるかについて、様々な研究を進めています。研究内容と目指すもの原子力発電システムの内部で見られる様々な「流れ」の中からシステムの安全性を考える上で重要なものを取り上げ、熱流体工学を基盤とした基礎実験と数値解析によって学術面と実用面の双方から安全性の向上に資する技術を追究しています。東日本大震災の福島事故以降、日本では原子力発電につ外部資金• 日本原子力研究開発機構(共同研究)「溶融炉心物質の相変化挙動に関する基礎研究」(H31-R4)いて否定的な声が大きくなっていますが、世界に目を転じると新型原子炉の開発がもの凄い勢いで進められています。日本がこれまで蓄積した技術を活かし、より安全で、より効率的な新型の原子炉を作るには何が必要であるかを極めていきたいと考えています。• 文部科学省(原子力システム研究開発事業)「多様な革新的ナトリウム冷却高速炉における統合安全性評価シミュレーション基盤システムの開発」(R2-R5)技術の特徴原子力発電システムの内部で見られる様々な「流れ」の中からシステムの安全性を考える上で重要なものを取り上げ、熱流体工学を基盤とした基礎実験と数値解析によって学術面と実用面の双方から安全性の向上に資する技術を追究しています。技術の用途原子力発電システムの内部における多相流挙動の実験的な評価、高速炉等の新型システムにおける炉心損傷事故(シビアアクシデント)に関する解析的な評価を通して、システムの安全設計及び安全性向上のための革新技術の検討に有用な技術の開発を進めています。企業等との連携可能テーマ• 軽水炉の配管内で生じる気液二相流に関する現象論的な研究• 高速増殖炉の炉心損傷事故で生じる多成分多相流に関する実験的/解析的な研究• 原子力発電システムの事故を確実に収束させるための安全技術に関する研究知的財産権・関連論文情報・著書• 鈴木他, “高速炉の炉停止失敗事象における炉容器内終息(IVR)に関する検討,” 日本機械学会論文集, Vol.83, No.848(2017).• T. Suzuki, et al., “A scenario of core disruptive accident for Japan sodium-cooled fast reactor to achieve in-vessel retention,” J. Nuclear Science and Technology, Vol.51, No.4 (2014).【2021, Most Cited Article Award受賞】

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