TCU Research Directory 2023
96/326

羽ハグラ倉 尚ナオト人准教授94 TCU Research Directory 2023タンデム加速器を用いたMeV級ビーム応用研究加速器 / イオン源 / イオンビーム / 極微量元素分析研究テーマキーワード理工学部 原子力安全工学科加速器工学研究室研究室HP研究者情報最近の研究テーマ2018年5月に稼働したターミナル電圧1.7MVの静電型加速器であるペレトロン・タンデム加速器(都市大タンデム)を活用したビーム応用研究を行っています。陽子ビームを利用した微量元素分析手法(PIXE)の実施や、材料等へのビームの照射実験などを中心に実施しています。イオン源から分析装置まですべて自前で整備しています。例えば、イオン源は、東工大ゼロカーボンエネルギー研と共同で冷陰極PIG負イオン源の開発を行っています。コンパクトで安価ながら、取り扱いが容易で、安定的に水素イオンを引き出せるイオン源であり、様々なパラメータを変えながら最適な運転条件の検討を進めています。研究内容と目指すもの加速器に軸足を置き、加速器から引き出されるビームによって、あらゆる分野と結びつき、様々な課題を解決していきたいと考えています。例えば、陽子ビームを環境中の材料にあて、詳しい組成を把握したり、陽子をLiやBeなどのターゲットにあ外部資金• 科学研究費助成事業(基盤研究(C))「WDS-PIXEのエネルギー分解能を飛躍的に向上させるための画像処理手法の開発(2020-2023)」• 事業名:入門講座による裾野の拡大と応用事例紹介講演会による専門分野間の深い人脈の形成、高エネルギー加速器研究機構:平成29年度加速器科学総合支援事業「大学等連携支援事業」(2017)て中性子を発生させ、それを医療へ応用したり、新たな原子力エネルギーシステムに結び付けたりと、幅広くいろいろなことに取り組んでいきたいと考えています。• 原子力システム研究開発事業(安全基盤技術開発)「次世代原子炉燃料の健全性評価のための非破壊分析技術の開発(平成26年度~平成29年度)」技術の特徴1.7MVペレトロン・タンデム加速器(都市大タンデム)は、陽子ビームを用いたPIXE法による元素分析を基本としつつ、実験の用途に合わせてビームラインの構成、照射時間の設定を変更することができます。様々な実験に対応することが可能な自由度の高さが一番の特徴です。技術の用途PIXE法では加速された陽子ビームを用いて環境試料などの未知試料の組成を把握することが可能です。陽子ビームを用いることでノイズとなるバックグラウンドを低く抑えられる特長を生かして、ごく微量の元素分析が実施可能です。企業等との連携可能テーマ• 1.7MVペレトロン・タンデム加速器(都市大タンデム)により発生させるイオンビームを用いた極微量元素分析• イオンビームの材料への照射• 放射線・放射能の測定・分析知的財産権・関連論文情報・著書羽倉尚人ほか:東京都市大学原子力研究所における1.7MVペレトロン・タンデム加速器システムの構築作業及びそれを通じた人材育成、日本原子力学会和文論文誌(2018)

元のページ  ../index.html#96

このブックを見る