TCU 研究者一覧
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156 TCU Research Directory 2018相談に応じられるテーマ位相空間のホモトピー論的な分類や有限スペクトラムの安定ホモトピー群の構造に関する研究をおこなっている。球面の安定ホモトピー群の素数2成分については、現在までにモチヴィックホモトピー論を用いた研究がアメリカを中心として精力的に行われているが、奇素数成分については約30年間進展がない状況であった。私は、最近のD.C.ラヴェネルとの共同研究で、奇素数部分の計算を従来知られているレンジから大幅に拡張するための基礎研究を確立することが出来た。これを基にして、様々な安定ホモトピー元の零べき性やスミス・戸田スペクトラムの存在に関する結果を得ることを目指している。研究内容と目指すもの各種の一般コホモロジー論を用いて、Adams-Novikov型のスペクトル系列やHurewicz写像の像の解析をおこなう。特に、複素コボルディズム理論やそれらを素数pで局所化した理論(Brown-Peterson理論やJohnson-Wilson理論)、さらにそれらの理論に位数2の群作用をもたせた場合について未知の知見を得ることが、近年の研究テーマである。最近の研究テーマ外部資金● 科研費(2004-2006, 2010-2012)● トポロジープロジェクト(2009-2012)知的財産権・関連論文情報・著書● 位相幾何学、位相不変量に関すること全般。● トポロジー(phaseではなくtopology)を用いた工学的研究に関するテーマ、topological data analysisなど。キーワード中井 洋史 准教授ナカイ ヒロフミ位相幾何学研究室所属研究室知識工学部 自然科学科基礎研究数物系科学所属位相幾何学、トポロジー一般コホモロジー論を用いた安定ホモトピー圏の解析● H.Nakai and D.C.Ravenel, On β-elements in the Adams-Novikov spectral sequence. J. Topol. 2 (2009), no. 2, 295–320.● H.Nakai, An algebraic generalization of image J. Homology Homotopy Appl. 10 (2008), no. 3, 321--333.関連論文情報● 世界を読み解くリテラシー, 井上健・山本史華・中井洋史 (編集)● 東大数理レクチャーノート, 近代ホモトピー論, 土屋昭博, 中井 洋史著書

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