TCU 研究者一覧
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186 TCU Research Directory 2018相談に応じられるテーマ例えば、地熱資源の温泉利用と発電利用など、利害の異なる人々の間でしばしば対立が起こります。また、気候変動の進展に伴って極端な気象が発生し、様々な面で影響が出始め、将来を見通した対策を現時点から検討する必要があります。当研究室では、「あちら立てればこちら立たず」などの複雑な状況下で持続可能な社会を実現するべく、政策イノベーションを生み出す仕組みづくりや、専門家、行政、利害関係者らとの合意の場づくりを通じて政策提言を行っています。研究内容と目指すもの気候変動影響は既に各地で現れており、温室効果ガスを削減する緩和策だけでなく、気候変動影響に対応する適応策の検討が最近では重視されています。気候変動影響は標高や地形によって大きく変わり、例えば極端な気象により洪水のリスクが増大し、代々受け継いできた土地から離れざるを得ないなど、様々なケースで合意を形成していく必要があります。気候モデルや影響予測の専門家、行政らととも長期的なリスクに備える施策の実装化を目指しています。最近の研究テーマ外部資金● 文部科学省「気候変動適応技術社会実装化プログラム(SI-CAT)」(2015-2020)● 総合地球環境学研究所FRプロジェクト(R-08)「アジア環太平洋地域の人間環境安全保障-水・エネルギー・食料ネクサス-」(2013-2018)● 科研費基盤C(26340122)「エビデンスベース環境政策形成手法の構築と実装化」(2014-2016) ● トヨタ財団2014年度国際助成プログラム(D14 -N-0021)「資源間のトレードオフを考慮した地熱発電の導入によるコミュニティづくりの日本と東南アジアでの相互学習」(2014-2015) ほか知的財産権・関連論文情報・著書● Baba et al., Climate Change Adaptation Strategies of Local Governments in Japan, Oxford Research Encyclopedia of Climate Science, (2017), 1-26, DOI: 10.1093/acrefore/9780190228 620.013.597● 馬場他, レジリエントシティの具現化に向けた施策をめぐる一般市民の認知構造, 土木学会論文集G, 73(5), (2017), I-211-I-221, DOI: https://doi.org/10.2208/jscejer.73.I_211● 馬場他, オンライン熟議実験を用いた地熱発電と温泉利用の資源間トレードオフを巡るステークホルダーの態度変容分析, 社会技術論文集, 14, (2017), 58-72, http://shakai-gijutsu.org/vol14 /14_58.pdf ほか96件● 気候変動緩和・適応,エネルギー技術導入等を題材とした政策形成・社会実装化支援具体的には、ステークホルダー分析,シナリオプランニング,ロールプレイシミュレーション,コンセンサス会議・サイエンスカフェ等の各種市民参加型熟議の設計キーワード馬場 健司 教 授ババ ケンシ馬場研究室(環境ガバナンス)所属研究室環境学部 環境マネジメント学科基礎研究複合領域所属合意形成、政策過程、態度行動変容、トランスディシプリナリ、気候変動政策、エネルギー政策、ネクサス気候変動適応政策の実装化関連論文情報● The Water-Energy-Food Nexus, Springer, (2018), 273-286, 321-333● 気候変動下の水・土砂災害適応策-社会実装に向けて-, 近代科学社, (2016), 全291頁 ほか著書

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