TCU 研究者一覧
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TCU Research Directory 2018 237 相談に応じられるテーマ個別化が進み、共同性を喪失している現代社会において、保育施設の中で大人と幼児及び幼児同士が共同性を復権し、施設集団生活が幼児の居場所性の高いものとなるための保育援助方略を追求している。特に、その方略としての音楽活動の意義、音楽文化財の構造を解明し、文化財の実践的展開の望ましい方法をフィールド調査とアクションリサーチによって追求している。研究内容と目指すもの① クラスの一斉的活動(子どもの自発的な遊びを推進する立場からは否定的に捉えられる傾向にある)と自由遊び活動とを身体の「ノリ」(リズム)の共有という視点から連続的に捉え、前者(一斉的活動)の「ノリ」の共有度がわらべうた遊び等の音楽的活動によって高められることと後者(自由遊び)における子ども集団の安定性との関連についてのアクションリサーチ。② 保育者の援助行為の専門性を「対象の複数性」(複数の幼児を見取らねばならないこと)と「行為の同時平行性」(同時に展開する複数の遊びに関与しなければならないこと)と定義し、この専門性を保育者が獲得する過程とそこに生じる諸課題の克服についてのアクションリサーチ。最近の研究テーマ外部資金● 日本学術振興会科学研究補助費基盤研究C「遊びの援助者(教師)に求められる<身体知>獲得に関する研究」(2016年〜2018年)、同「伝承遊びの伝承性の復権に関する理論的・実証的研究」(2013年〜2015年)、同「子どもの居場所となる学級集団形成過程の演劇論的研究」(2010年〜2012年)、同「子ども集団における規範意識形成の理論的・実証的研究」(2007年〜2009年)知的財産権・関連論文情報・著書● 岩田遵子(2017) 保育実践における手遊びの意義─「保育文化」としての手遊びの重要性、東京都市大学人間科学部紀要第8号、23〜36● 保育実践におけるわらべうた(遊び)の実際と導入する際の具体的な援助方法についてのアクションリサーチ● 保育実践における自由遊びと一斉活動の連続性についてのアクションリサーチ● 「遊び保育」実践のための保育者の具体的な援助(環境構成、遊びの読み取りと診断、遊びへの関与)についてのアクションリサーチキーワード岩田 遵子 教 授イワタ ジュンコ音楽教育・子ども文化論所属研究室人間科学部 児童学科基礎研究社会科学所属音楽教育学、子ども文化論、保育学、教育方法学、臨床教育学、アクションリサーチ、保育者の専門性、遊び保育、わらべうた幼児の共同性を高めるための音楽活動の意義関連論文情報● 岩田遵子(2018)一斉活動における「子ども文化」の創成─わらべうた遊びの活動を通して─、日本保育学会第71回大会● 岩田遵子・中田幸子他(2018) 保育者の「見え」の内容理解と援助の方向における問題点─新人保育者の実践映像記録の分析から、日本保育者養成教育学会第2回大会学会発表● 岩田遵子(2005) 現代社会における「子ども文化」成立の可能性─ノリを媒介とするコミュニケーションを通して、風間書房著書

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