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252 TCU Research Directory 2018相談に応じられるテーマ巨大帝国の「小さな政府」:地中海を内海とすらした古代ローマ帝国はEU以上の面積と人口6000万を抱えながら、これらを統治する帝国官僚は300名に達しなかった。この「小さな政府」どころか「官僚制なき政府」とまで形容される状況にありながら、巨大帝国が分裂もせず、「パックス=ロマーナ」を享受しえたのはなぜか。その秘密を、帝国の行政構造の考察を通して解明しようと考えている。研究内容と目指すもの都市の自治を支えたのは都市政務官、参事会、民会であった。これまで、政務官と参事会について論文を積み重ねてきたが、最近はギリシア・ローマの「市民的自由」に直結する民会に注目している。というのも、帝国東部では、ポリス社会という伝統の下、民会が機能していたものの、西部では帝国の支配下に組み込まれる中、ローマ主導で都市化が図られたからである。以上から、帝国の東西では自治の内情が異なっていたと予想され、その解を民会に求める。最近の研究テーマ外部資金● 日本学術振興会 科研費:基盤研究(C)「ローマ帝政期における民会の東西比較に関する研究」(H26~28年)など8件知的財産権・関連論文情報・著書キーワード新保 良明 教 授シンポ ヨシアキ西洋史研究室所属研究室共通教育部 人文・社会科学系基礎研究人文学所属ローマ史、皇帝、官僚、行政構造、都市、身分制、自治、ローマ法ローマ帝国の都市民会● 新保良明、ローマ帝政前期における帝国官僚制、多元文化、査読有、2018、● 新保良明、ローマ帝政前期における皇帝顧問団の人的構成、共通教育部紀要、2015、17-36関連論文情報● 新保良明、ミネルヴァ書房、古代ローマの帝国官僚と行政、2016、379● 新保良明、勁草書房、歴史学者と読む高校世界史、2018、179-204著書

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