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262 TCU Research Directory 2018相談に応じられるテーマ138億年前、我々のこの宇宙は高温・高密度の火の玉の急激な膨張から誕生したと考えられています。この宇宙開闢後のわずか約10万分の1秒後には物質を構成する素粒子クォークとそれらの間の力を媒介するグルオンは、陽子や中性子に閉じ込められたと考えられています。このクォーク・グルオンの閉じ込め相転移にかかわる物理を詳細に調べるために、高エネルギー原子核衝突実験が行われています。理論物理研究室では実験データからクォーク・グルオンの閉じ込め相転移の痕跡を実験データの中から探し出すことを目指して、理論的な研究を進めています。研究内容と目指すもの相相対論的重イオン衝突の初期条件として、グルオン飽和描像が期待されています。単純かつ有用なこの描像に立脚した多重発生現象の分析が最近の研究テーマで、特に揺らぎや相関現象に注目して研究を進めています。この成果は、原子核衝突でできる高温・高密度物質に対して初期条件に制限をつけることに活かされ、閉じ込め相転移の痕跡をデータから探し出す際に有用となります。図は、我々が見出したグルオンの異なる多重度事象間に成立する横運動量スケーリングです。最近の研究テーマ外部資金知的財産権・関連論文情報・著書● 理論物理に関して全般キーワード● T. Osada nad M. Ishihara, J. Phys.G: Nucl。Part. PHys. 45 (2018) 015104..● T. Osada, Phys.ReV. C85 (2012) 014906. ● T. Osada, Phys. ReV.C81 (2010) 024907. 長田 剛 教 授オサダ タケシ理論物理研究室所属研究室共通教育部 自然科学系数物系科学基礎研究所属高エネルギー原子核物理学、クォーク・グルオン・閉じ込め相転移、素粒子多重発生、相対論的流体力学グルオン飽和模型を利用した相関現象の解析関連論文情報

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